【阪神JF】完全無欠コレクターアイテム 余力の併入4F55秒9

[ 2012年12月6日 06:00 ]

須貝厩舎のコレクターアイテム(左)とローブティサージュは坂路で併せて上々の動き。阪神JF奪取へ期待を膨らませた

 2歳女王決定戦「第64回阪神JF」(9日)の追い切りが5日、栗東、美浦トレセンで行われた。3頭エントリーする「須貝軍団」ではアルテミスSを制したコレクターアイテムが余力たっぷりの併入。今年重賞7勝(うちG1・2勝)と猛威を振るう絶好調厩舎の“秘蔵っ娘(こ)”が2歳女王に王手だ。

【阪神JF】

 栗東トレセンの主役は、今や須貝厩舎だ。午前8時半。阪神JF出走予定の3頭にジャスタウェイ(朝日チャレンジC)を含めた同厩舎の6頭が坂路に現れると、記者席の緊張が一気に高まった。

 2頭×3組の併せ馬。ラストは浜中が乗ったコレクターアイテムと秋山を背にしたローブティサージュ。上位人気必至の2頭による豪華なぶつかり稽古だ。序盤は互いにけん制するように緩やかなラップを刻んだが、残り1F付近で浜中が軽く仕掛けると四肢に力がこもった。ローブも食らいつき、ラストは共に手応えを残しつつ併入。コレクターは4F55秒9~13秒8を刻んだ。

 万全のリハーサルを終え、浜中の表情は明るい。「併せる相手と同じように来いとの指示。オーバーワークにならないよう、微調整程度だね。前回乗った時も良かったし、本当に操縦しやすい」。この時期の2歳馬は、人間で言えば中学生程度。何かと不安要素も多いが、浜中は「気持ちは楽」と言い切る。パートナーへの絶対的な信頼を見せつけた。

 須貝師は「予定通りの追い切りを消化できた。ジョッキーは自信を持って乗れそうだね」と、元騎手らしい視点から分析した。「精神的に、もう大人なんだ。欠点のないタイプで優等生と言うのかな。カイバも落ちないし、いろいろな競馬場に行って、多くの経験も積んでいる。キャリアもローブ(2戦)、オツウ(1戦)よりある(3戦)し、根性も秘めている」。例えるなら先生からの信頼厚い、真面目な生徒会長だろうか。

 須貝厩舎は今年ここまで重賞7勝。的確な番組選択と、凡走のない上手な仕上げでVを積み上げた。有馬記念にゴールドシップが控えるが、まずは馬名通りにコレクターアイテムがG1コレクションを増やしそうだ。

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2012年12月6日のニュース