【JCダート】叩いて目覚めた3歳王者ヴァンクール

[ 2012年11月28日 06:00 ]

3歳馬トップに君臨するハタノヴァンクール。前走で一叩きして巻き返しに自信

 今週のG1「第13回JCダート」(12月2日、阪神)は生きのいい3歳が参戦。中でもその頂点に立つハタノヴァンクールに一発ムードが漂っている。

 「ダート戦において、今年の3歳は強い」。古馬と対戦する以前の春先から、関係者の間では評判だった。その世代でトップに君臨するのがハタノヴァンクールだ。3歳同士のレースは5戦全勝で、世代の頂点を決めるジャパンダートダービーをV。新星誕生を予感させる快進撃だった。

 古馬初挑戦となった前走のみやこSは、ダート5連勝中のローマンレジェンドに次ぐ2番人気の支持を集めた。だが、結果は10着。いつも通り後方待機策から末脚勝負に懸けたが、直線で伸びを欠いた。古馬との力差なのか。昆師は敗因を冷静に分析した。

 「久々で気持ちが乗っていなかった。ここまで完全にリフレッシュしたのは初めてだった。調教だけで仕上げられるタイプじゃないんだろう」

 2走前のジャパンダートダービーの後は、北海道のファンタストCに放牧に出され、9月半ばに帰厩。2カ月以上もトレセンを離れたのは初めてだった。師は「実戦を使って気合が乗ってきたし、今回は力を発揮できるはず。もっとやれると思うし、レースを見てもらえば分かる」と巻き返しを誓った。

 前哨戦の武蔵野Sはイジゲン、ガンジスの3歳勢のワンツー決着。過去10年の武蔵野Sで、3歳がワンツー決めたのは05年(サンライズバッカス、カネヒキリ)のみ。その年のJCダートは、3歳カネヒキリが古馬を封じて世代交代を果たした。今年もその再現の可能性は十分。ひと叩きされて“目覚めた”3歳王者が強豪古馬に襲いかかる。

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2012年11月28日のニュース