【AR共和国杯】ルルーシュ、馬なり半馬身先着 藤沢和師笑み

[ 2012年11月1日 06:00 ]

横山典を背に追い切ったルルーシュ(左)は藤沢和師の期待通りの動き

 日米でゼンノロブロイ産駒が待望のタイトル獲りだ。今週の東京メーン「第50回アルゼンチン共和国杯」の追い切りが31日、美浦、栗東トレセンで行われ、ルルーシュが迫力満点のフットワークを披露した。

 ルルーシュの追い切りを見届けた藤沢和師が報道陣の輪の中でニヤリと笑った。「素質の芽がそろそろ出てきたかだって?煎(い)った豆じゃないから芽は出るよ」。水気の抜けた煎り豆には成長の芽など期待できないが、大事に水をやってきた生豆のような馬には伸びしろがある。古いことわざをもじって成長力を強調した同師は「タイムは遅いけど、動きは良かった」と追い切りの感想を口にした。

 芽を伸ばす4歳馬の勢いを十分に感じさせる走りだ。Wコースでの3頭併せ。先行するパストフォリア(3歳1000万)、サトノギャラント(3歳1600万)に直線入り口で馬体を並びかける。鞍上・横山典の手綱はピクリとも動かない。それでも、厚みを増した後肢に力がみなぎり、内から楽に半馬身抜け出した。

 自ら手塩にかけて育てたゼンノロブロイ産駒。「もともと素質の高かった馬だからね。3歳になったばかりのころ、ペルーサの後に青葉賞を勝つのはこの馬だよと言ってたんだ」と同師は続ける。だが、体質が弱いためクラシックを諦め、体力づくりに専念した。1年2カ月の休養を経て今年3月、1000万条件戦で復帰すると、6戦目にして札幌日経オープンをレコード勝ち。前走・オールカマーでは4着に敗れたが、「内のごちゃついたところにいてスムーズさを欠いたからね。交通渋滞にハマったような競馬」と同師は振り返る。「本当に力があれば、ごちゃついても抜けてこられたとも思うが、さほど負けていないから」。素質開花の期待を抱かせて臨むAR共和国杯。

 「適距離?ノリ(横山典)はオールマイティーだっていうんだ」。生豆のように芽を伸ばす万能型ロブロイ産駒が今週の主役だ。

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2012年11月1日のニュース