【菊花賞】ブリランテ2冠へ ぶっつけでも仕上げに手応え

[ 2012年10月16日 06:00 ]

菊花賞で2冠を目指すディープブリランテ。秋初戦でも仕上がりに不安はない

 主役の座は渡さない。菊花賞(21日、京都)はゴールドシップ断然ムードだが、春に世代No・1の称号を得たのはダービー馬ディープブリランテ。英国遠征帰りの休み明けだが、力を出せる仕上がり。主戦の岩田も先週の秋華賞を制し、JRA年間G1最多勝利へあと1と勢いは十分。人馬一体となってラスト1冠をもぎ取る構えだ。

【菊花賞】

 ディープブリランテは菊花賞が秋初戦。ダービー馬に輝いた春の実績を考えれば、当然中心視しなければならない1頭だが、今回は海外遠征を挟んでの休み明け。いきなり3000メートルの長丁場はどうなのか?という不安がある。しかし、担当の貝澤厩務員は気にならないと言わんばかり。調整は順調に進んでいる。

 「帰厩当初は馬体が寂しく見えて、張りも物足りなかったです。でもそこから調教を積んで毛ヅヤも張りもよくなりました。明らかに変わってきましたね」

 栗東に帰厩したのは先月27日。その2日後には坂路で岩田がまたがって時計を出した。反応を確かめる程度でラスト1F12秒2。「(岩田は)さすがの反応だなって言っていました。グッと沈む感じはやっぱり凄い」と能力の高さを再確認したという。レースに向けて馬自身が体をつくっていき、みるみるうちに上昇。「欲を言えばもう少し時間が欲しい」と口にしながらも「力を出せる態勢にはもっていけそう。ジョッキーにもいい感触を持ってもらえると思う」と仕上げに手応えをにじませた。

 前走のキングジョージ6世&クイーンエリザベスSは8着。海外競馬での洗礼を浴びた形で「もっと力をつけないと」と貝澤厩務員は振り返った。慣れない環境面もあって「馬房で凄くイライラしていました。日本では見せたことがなかったからビックリ」と調整面での難しさもあったという。それでもこれらの経験が「今後に生きると思います」と前向きだ。精神面でタフになったことで秋のさらなる進化を期待できる。

 主戦の岩田は先週の秋華賞で今年G1・5勝目。ジェンティルドンナで牝馬3冠の偉業を成し遂げた14日早朝も栗東でこの馬の調教をつけている。自らをダービージョッキーにしてくれた相棒のため。「世代No・1」のプライドにかけてラスト1冠も全力でつかみにいく。

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2012年10月16日のニュース