【凱旋門賞】オルフェ完璧仕上げ 世界制覇へ万全

[ 2012年10月4日 06:00 ]

最終追い切りでスミヨンを背に小林智厩舎所属の2頭を軽く突き放すオルフェーヴル

 欧州調教馬以外で初となる凱旋門賞(7日、フランス・ロンシャン)制覇という歴史的偉業に挑むオルフェーヴル(牡4=池江)が3日(日本時間同日)、滞在先のシャンティイ・エーグル調教場の直線芝コースで最終追い切りを行った。3頭併せの最後方からスタートして、最後は並ぶ間もなく2頭を置き去りにする大先着。大一番へ向けて完璧な仕上がりぶりを見せつけた。なお、同レースは5日に出走馬、枠順が決定する。

 静寂に包まれたシャンティイの森の中で、オルフェーヴルの力強い蹄音が鳴り響いた。エーグル調教場の芝コースに入るのは今回で4度目。もはや自分の庭のように、その走りはフランスの芝と完全にフィットしていた。

 スミヨンを背に小林智厩舎所属2頭の最後方をゆったりとスタート。序盤は2頭の後ろで折り合いに専念。アクションを起こしたのはラスト300メートルだった。2頭の外に持ち出し、鞍上が軽くゴーサイン。その合図にオルフェーヴルが応える。並ぶ間もなくかわし、最後は5馬身以上突き放した。

 森の中の直線コース。フランスでは日本のように時計計測はしないが、フォワ賞V以来となるパートナーにまたがった世界の名手はその動きを絶賛した。

 「非常にいいコンディション。ここまで何度も乗って来たし、コントロールがうまく利くようになってきた」

 ゴール前で動きを見守った池江師も納得の表情を浮かべた。

 「フォワ賞の結果を見て、もう少し負荷をかけていかないといけないと思った。きょうは今までで一番強い稽古をしたが追い切り後も歩様、息の入りは問題ない。ここまでオルフェは疲れることなく応えてくれた」

 8月26日にフランス入り、シャンティイで1カ月以上も調教を積んできた。トレーナーは愛馬の馬体の進化も口にする。

 「今までトモ(後肢)についていなかった部分に筋肉が付いてきた。ディープインパクトもそうだった。深い芝で走っているとそうなってくる」

 06年に父・泰郎元調教師と共にフランス遠征した当時となぞらえた。「あの時のことは忘れもしない。ディープなら勝てると思っていたし、凄い失望感だった。もちろん今回はオルフェの凱旋門挑戦だが、僕の中には父の敵という気持ちもある」と力を込める。

 世界制覇へ向けて準備は整った。1969年にスピードシンボリから始まった日本馬の凱旋門賞挑戦。過去43年で延べ12頭が挑んだが、世界の壁を厚かった。だが、オルフェなら…。日本最強馬が大一番で集大成の走りを見せつける。

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2012年10月4日のニュース