【毎日王冠】フラッシュ 余力残しで極上の切れ味

[ 2012年10月4日 06:00 ]

ラスト1F極上の切れ味で11秒6をマークしたエイシンフラッシュ

 秋の東京開幕週を飾る名物重賞「第63回毎日王冠」の追い切りが3日、美浦、栗東トレセンで行われた。ここが今季初戦となるエイシンフラッシュが出陣に向け抜群の動き。CWコースではじけるように伸びて仕上がりの良さをアピールした。

 黒鹿毛の馬体が放たれた矢のごとく一直線に伸びてきた。朝イチにCWコースに入ったエイシンフラッシュは5Fから追い切りがスタート。はるか前方のメイショウクロオビ(4歳500万)との差を徐々に縮めながら直線へ。稽古をつける鮫島(レースは内田)が軽く仕掛けると抜群の反応でグンと加速。最後は僚馬を4馬身突き放して5F63秒8、ラスト1Fは極上の切れ味で11秒6だ。鮫島が絶好の感触を伝える。

 「動きますね。この時計でも、まだ余力がありましたから。先週と比べたら行きっぷりが良くなっていてガツンと来ました。それでも抑えが利かないわけじゃないし、息遣いも大丈夫。具合はいいと思います」

 昨年暮れの有馬記念2着後、今年はドバイWCが6着、遠征明けの前走・宝塚記念は6着に敗れた。藤原英師は「前走も体調が良かったし、走ってくれると思ったんだけど、ドバイから帰ってきて目に見えない疲れがあったのかもしれない」と回顧。前走後は放牧でひと息入れて今季に備えてきた。

 「夏場はじっくり休ませてリラックスさせる形。それで疲れを取って、このレースを目標にしてきた。すごくいい状態になっているよ。競馬に向けて闘争心を求めながら先週、今週と併せ馬でしまいを気持ち良く伸ばした」

 稽古の動きだけで言うなら、とても休み明けとは思えない。馬体も研ぎ澄まされている。絶好の仕上がりで始動戦に照準を合わせてきた。藤原英師は「次に天皇賞があるとはいえ、ここを勝つことが重要。しっかりつくってきたからね。千八ならジョッキーは乗りやすいだろうし、開幕週のスピード競馬。勝てる条件がそろっている」とキッパリ。一昨年のダービー以来となる勝利の美酒はきっと秋のGI獲りへの起爆剤になる。

 ≪強い宝塚組≫このレースの過去10年を振り返ると前走・安田記念組が2勝、2着5回で最多の7連対。ただし、最も勝っているのが前走・宝塚記念組だ。03年バランスオブゲーム、05年サンライズペガサス、06年ダイワメジャー、09年カンパニーと4勝。宝塚記念6着以来でもキッチリ仕上がったエイシンフラッシュにとって後押しのデータだ。

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2012年10月4日のニュース