【京成杯AH】最内からレオアクティブ!日本記録更新

[ 2012年9月10日 06:00 ]

【京成杯AH】レースを制したレオアクティブの横山典騎手は馬上から歓喜のジャンプ

 ノリだ!!ユタカだ!!3歳だ!!9日、東西で行われた重賞はベテラン騎手の巧腕に導かれた3歳馬が、秋の飛躍を約束する勝利を挙げた。中山競馬場で行われたサマーマイルシリーズ最終戦「第57回京成杯AH」は横山典弘騎手(44)騎乗のレオアクティブが重賞2勝目。鞍上は昨年のフィフスペトルに続く同レース連覇で最多タイの4勝目を挙げた。

 ゴール前は珍しく内を突いた2頭のマッチレース。直線に入り、逃げたゼロスが内2頭分のスペースを空けて粘っていた。そこにまず飛び込んだのがスマイルジャック。そして、レオアクティブが続いた。先に抜け出したスマイルに、ラチ沿いぎりぎりを通ったレオがゴール寸前で忍び寄り、見事差し切った。

 巧みな手綱さばきで勝利に導いた鞍上の横山典は、左手で何度もガッツポーズ。その直後、電光掲示板には「レコード」の赤い文字がともった。「1分30秒7」。従来の記録(12年安田記念=ストロングリターンの1分31秒3)を0秒6更新するマイル戦の日本レコードVだった。

 今年3つ目の重賞勝利となった横山典は「レコードが出るのは当たり前の馬場だった。(馬については)普段でもゆっくり歩けるようになってきた。折り合いも最初の頃に比べると、気を使うことがなかった。ひと夏を越して気性面が成長したね」と満足顔。杉浦師も愛馬の成長ぶりに驚きを隠せない。「どっしりしてきたし競馬が上手になっている。内枠(3番)だったし、イチかバチか内を狙っていこうと(横山)典と話していた。うまくいったな」と笑顔を見せた。

 マイル戦では初の勝利。今後の選択肢が広がる。厩舎の先輩のテレグノシス(02年NHKマイルC)、ショウワモダン(10年安田記念)はマイルG1を制覇。指揮官は「タイプが違うし比較はできないが、G1にはもうちょっと磨きをかけていかないとな。マイルも1回勝っただけじゃ何とも言えない」といつも通り、辛口なジャッジ。

 今後は予定通り、スワンS(10月27日、京都)へ。師は「スワンSの後までは考えていなかったが、きょうのレースを見てG1へ行こうという気にもなってきた」とニヤリ。マイルCS(11月18日、京都)参戦も視野に入れた。それほどの勝ちっぷりだった。傑出馬不在のマイル戦線に、新たなスター誕生を予感させた。

 ◆レオアクティブ 父アドマイヤムーン 母レオソレイユ(母の父オペラハウス)牡3歳 美浦・杉浦厩舎所属 馬主・田中博之氏 生産者・北海道浦河町谷口牧場 戦績12戦4勝 獲得賞金1億4730万円。

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