“回り道の男”本田 待望の南関東初白星!

[ 2012年9月7日 06:00 ]

デビューから5年余りで待望の南関東初勝利を挙げた本田紀忠騎手(右から2人目)

 【地方競馬です!!】激しくなっていく雨とは対照的に、本田紀忠騎手(27=川崎・河津)の表情は晴れ晴れとしていた。

 待望の南関初勝利を6日、川崎4Rで挙げた。「自信を持って乗れ」という河津師の言葉通り道中は人気馬をきっちりマーク。最後の直線はその人気馬との一騎打ち。「心から頼む!」という気持ちで夢中で追った。口取り撮影後、ホッと一息ついた瞬間「自分の中で南関で勝たないと騎手じゃないと思っていた。初勝利でようやくスタートが切れた」と少し頬を紅潮させながら、一気にため込んでいた気持ちを吐き出した。

 07年のデビューから5年。08年に高知武者修行で2勝、11年に北海道武者修行で1勝を挙げていたが、南関での勝利は遠かった。苦節と記してもいい長い年月に「しまいには自分が勝つイメージができなくなっていた。ずっともんもんとしていた」。悩んでいた分「夢のよう」と喜びは大きいが、もちろん夢ではなく競馬は続いていく。10日は川崎8Rでリックオンファイアに騎乗予定だ。

 「これからも地道にやっていきたい」。中学を卒業後、乗馬クラブの研修生、川崎での厩務員見習いを経て20歳で地方競馬教養センターの騎手課程に入学。人より回り道をしてようやくたどり着いた騎手人生。初勝利の先には何があるのか、また1歩ずつ自分の足で確かめに行く。 (秋田 麻由子)

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