【小倉2歳S】マイネルエテルネル 夏締めV

[ 2012年9月3日 06:00 ]

【小倉2歳S】鼻差で勝利したマイネルエテルネル(手前)

 混戦ムードの小倉2歳S。チャンスはあると、どの騎手も考える中、マイネルエテルネルの背で和田だけは違うことを考えていた。「スムーズに競馬ができれば力は明らかに上。ただ、1200メートルだけの馬にはしたくない。距離が延びても対応できるよう折り合いの付く競馬をしよう」。求めたのは結果だけでなく、勝ち方。発想そのものがライバルたちのはるか上を行っていた。

 素早くゲートを出たが、行く馬を見ながら控えた。好位を楽な手応えで追走する。4コーナーでは2着馬クラウンレガーロに進路を閉められたが動じず。冷静に進路を確保して追い出すとエンジン全開。懸命に踏ん張ろうとする2着馬を鼻差かわした。勝ち時計1分7秒9はタイレコード。一枚上の地力を見せつけたが、和田は「スムーズに行けばもっと離していた」と事もなげに語った。「いいリズムで行けたし、ひるむ場面もなかった。いい勝負根性だった。これなら距離を延ばしても大丈夫。どこまで持つかだね」

 父タマユズはフランスの快速マイラー。どこかで距離の壁があるだろうが、それを承知でオーナーサイドが英ダービーに1歳時、早々と1次登録を済ませたほどの素質馬。目立って大きい(今回464キロ)わけではないが、いかにも質の良さそうな筋肉が目を引く。トモの膨らみも素晴らしく、天性のアスリートだと感じさせる。

 西園師は「1頭だけ世代が違うような競馬でした」とつぶやいた。控えめで大言壮語を好まない指揮官がこれだけ言えば、能力の高さが分かろうというもの。「和田騎手が自信を持って先々まで考えて乗ってくれた。ずっとこのコンビでいきたい」。今年の最終的な目標は朝日杯FS(12月16日、中山)。人馬一体、楽しみな素材がビッグタイトルへと突き進む。

 ◆マイネルエテルネル 父タマユズ 母フォーエヴァシルカ(母の父ピッコロ)牡2歳 栗東・西園厩舎所属 馬主・サラブレッドクラブ・ラフィアン 生産地・アイルランド 戦績2戦2勝 総獲得賞金3760万2000円。

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