【札幌2歳S】コディーノ ターフのファンタジスタ目指す!

[ 2012年8月29日 06:00 ]

【札幌2歳S】2歳重賞獲りを狙う藤沢和厩舎のコディーノ

 夏競馬も今週がラストウイーク。13週間の北海道シリーズを締めくくるのは「第47回札幌2歳S」。クラシック直結のG3として名高い一戦に、関東の名門・藤沢和厩舎が送り込むのがコディーノ。欧州サッカー史に名を刻んだファンタジスタから名付けられた素質馬が、華麗なVゴールを決めるか。

【札幌2歳S】

 粗削りな走りが、逆に底知れぬ可能性をかき立てる。コディーノのデビュー戦は立ち遅れ気味のスタート。最初の50メートルで2馬身ほど後方に置かれたが、すぐに加速して1角手前で馬群に追いつく。3角すぎからまくり気味の仕掛け。大外を回りメンバー中最速の3F33秒7の末脚で、ライバルを2馬身半突き放してゴール。流れ関係なし。1頭だけ違う競馬をしていた。

 「想像していたよりも走った」。調教をつける土田助手の率直な感想だ。「頭が高く、まだ子供っぽい。調教でも物見をして促されて走っている感じ。そんな中でいい勝ち方をしてくれた」。レース後は札幌よりも涼しい函館に戻って調整。「疲れもなく順調にメニューをこなした。テンションも上がっていない」

 馬名はイタリア語で「弁髪」。同国のサッカー代表選手として一時代を築いたロベルト・バッジオの愛称からの命名だ。弁髪とは後ろ髪を伸ばして三つ編みにするポニーテールのような髪形で、バッジオが好んだヘアスタイルだ。藤沢和厩舎でサッカー馬名と言えばペルーサ(アルゼンチン元代表・マラドーナの愛称)が代表格。無敗で10年青葉賞を制し、ダービーでは2番人気に支持された(6着)。「脚さばきが素軽く賢い馬」というコディーノには、先輩馬以上の活躍が期待される。

 藤沢和厩舎はJRA重賞83勝を誇るが、2歳重賞はわずか3勝。95年朝日杯3歳S(バブルガムフェロー)、97年ラジオたんぱ杯3歳S(ロードアックス)、98年阪神3歳牝馬S(スティンガー)と、いずれも年齢が旧表記だった時代で、馬齢表記が1歳ずつ引き下げられた01年以降では勝っていない。重賞制覇も11年フェアリーS(ダンスファンタジア)以来、1年以上遠ざかっている。厩舎初の“2歳重賞V”が名門復活ののろしとなるか。

 ≪サッカー馬名、国内外に多数≫サッカー選手と関連のある馬名は多い。今年のダービー2着フェノーメノは元ブラジル代表FWロナウドの愛称(ポルトガル語で怪物)。元日本代表FW播戸にちなんだハンソデバンドは10年共同通信杯を勝ち、同馬の兄は同じく元日本代表FW巻にちなんだヘディングマキ。海外では93年ジャパンC4着のプラティニ(元フランス代表)、98年香港ダービーVのヨハンクライフ(元オランダ代表)、02年フューチュリティS(アイルランドG2)勝ちのファンニステルローイ(同)などがいる。

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2012年8月29日のニュース