【札幌記念】横山和、初の重賞騎乗で父・典弘と対決

[ 2012年8月15日 06:00 ]

札幌競馬場で調教を行う横山和生騎手

 G1馬3頭の競演が注目されている今週の札幌記念だが、フレッシュな話題にも事欠かない。9歳の古豪ネヴァブションと初コンビを組むことになった横山和生(19=勢司)は、このレースがJRA重賞初騎乗となる。父はJRA通算2321勝を挙げ日本を代表する名ジョッキーの横山典弘(44)。天才の血を受け継いだ関東の若きホープが、初の重賞舞台でどんな手綱さばきを見せてくれるか楽しみだ。

 朝から強い日差しが照りつけ、立っているだけで汗がにじむ暑さになった14日朝の札幌競馬場。デビューから1年半で待望の重賞初騎乗を迎えることになった横山和は、開門から休みなく調教に乗り続けていた。

 「札幌は昨年も来ましたが、今年はいい意味で慣れが出てきました。先輩方が僕のことを良く見ていてくれて、いろいろなことを教えてくださいます」。汗をぬぐいながら丁寧な口調で取材に応じた横山和の目からは、北海道での充実した騎手生活が伝わってきた。

 まだ通算勝利11勝でG2騎乗が実現したのは、やはり父である横山典の存在が大きい。コンビを組むネヴァブションに父は過去6回騎乗し、09、10年のAJC杯を連覇と抜群の好成績。横山和は「僕の方から話を聞こうと思っています。乗っていた先輩がせっかく近くにいるので。聞いても話が高度過ぎて僕には理解できないかもしれませんけど…」と笑ったが、これ以上心強い“先生”はいない。騎乗依頼した伊藤正師からも「周りもダービー馬とか凄い馬ばかり。そういう雰囲気を感じてこい」と温かい言葉をもらったという。

 初重賞挑戦への思いについては「あまり緊張はしないタイプ。特別レースには乗せてもらっていますが、未勝利戦の方が“後がない”という感じで緊張します」とあくまでも冷静。それでも「平常心で乗れていても技術の差があるので」と気を引き締める。

 パートナーのネヴァブションは、15日に函館から札幌へ移動。函館ダートで行われた9日の1週前追いに騎乗した横山和は「休ませて緩んだ印象はありましたが、時計的には動いているし、もともと力のある馬ですから」と重賞3勝馬の乗り味を実感した様子。16日に再び調教に乗って感触を確かめる。

 「チャンスを下さったオーナーと先生に本当に感謝しています」。多くの関係者の支援を受けて迎える初の大舞台。ひた向きに高みを目指す19歳の天才2世は、必ず大きな収穫を得てゴールするはずだ。

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2012年8月15日のニュース