【中京記念】マイルのデイヴィス 坂路で軽快リズム

[ 2012年7月19日 06:00 ]

<中京記念>坂路単走で追い切られるレッドデイヴィス

 大胆な脚質転換で復活だ。今年からマイル戦へと変わった「中京記念」の追い切りが栗東、美浦両トレセンで行われた。西ではレッドデイヴィス(セン4=音無)が坂路で軽快。浜中俊騎手(23)は久々の先行策を示唆し、5戦ぶりの重賞Vへ力を込めた。

 静かな動きの中に、しっかりと闘志をため込んだ。レッドデイヴィスは浜中を背に坂路で単走。気分良く走らせ、心身のリズムを整えるのが狙いだ。馬場の真ん中を真っすぐ駆け上がり、4F53秒1~1F12秒6を軽快に刻んだ。鞍上は最後に軽く気合を付けた程度。「しまいビシビシやらなくていいとの指示。前回はちょっと太め(484キロ)だった。今回の方が素軽いんじゃないかな」。浜中は好感触だ。

 12日にダノンヨーヨー(中京記念出走)とビッシリ併せ、坂路4F50秒7の自己ベストをマーク。1週前に強い負荷を掛け、レース当週は余裕を持たせたメニュー。計算通りに仕上がった。

 今春はどうも流れに乗れない。11、5、6着。苦手の雨にたたられたレースもあったが、重賞3勝馬にはふがいない成績。浜中は強い口調で語った。「どちらかと言えば先行した時に結果が出ている。今の馬場は差しが決まっているが今回は出していく」。大胆に宣言した脚質のモデルチェンジ。もちろん、理由、裏付けがある。「以前は気難しくてビシビシやると良くなかった。今は落ち着いてきて、そうした面が解消した。こちらが強気にやるくらいの方がいいようだ」

 無駄に反抗しなくなった以上、折り合いに気を遣う必要もない。ならば、前に行ける。これが主戦の見立てだ。思い出すのは同じ音無厩舎で09年、8歳にして天皇賞・秋、マイルCSを連勝したカンパニー。進撃のきっかけは08年中山記念だったが、それまで追い込み型だった馬を初騎乗の横山典が突然2番手で流れに乗せ、押し切った。大胆な脚質転換で目覚める馬は確かに存在する。

 音無師は「マイルが一番強いかも。オルフェーヴルを負かしているんだから」。今を時めく5冠馬を3番手追走から2着に破った昨年のシンザン記念は実に強かった。同じマイル戦、そして先行策。よみがえるなら今回しかない。

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2012年7月19日のニュース