【日本ダービー】ホマレボシ、エースに余裕の併入

[ 2012年5月24日 06:00 ]

<日本ダービー>ワールドエース(左)と3頭併せで追い切り、トーセンホマレボシ(中央)は楽々併入

 7572頭の頂点を決める「第79回ダービー」の追い切りが23日、栗東、美浦トレセンで行われた。2頭出しの池江厩舎は皐月賞2着ワールドエースと京都新聞杯Vトーセンホマレボシが豪華併せ馬。後者が手応えで上回り連勝の勢いを見せつけた。昨秋の天皇賞を制したトーセンジョーダンを兄に持つ良血馬。「2頭出しは人気薄を狙え」の格言通り、目が離せない存在になってきた。

 栗東でも指折りの強豪厩舎らしい豪華な3頭併せが、競馬の祭典に花を添えた。トーセンホマレボシの最終追い切りはCWコース。先導役は今週のG2目黒記念に出走するダノンバラード、後ろに本番でもライバルとなるワールドエースを従え、3頭縦列で向正面を進む。4角で3頭が急接近し、ホマレボシは外バラード、内エースに挟まれる形で直線へ。残り200メートルからはエースとの一騎打ち。互いに譲らず併入も、手綱をいっぱいにしごいたエース福永に対し、ホマレボシを操るウィリアムズの手応えには明らかに余裕があった。

 「ゴール前だけ少し強めにアクションしたが、馬もそれに反応してくれた。これなら問題ない」。この23日、35歳の誕生日を迎えたウィリアムズは安どの表情で切り出した。前走・京都新聞杯は芝2200メートルのJRAレコード(2分10秒0)をマーク。スタート直後に左前を落鉄しながらの劇勝だった。故障馬も続発した京都の高速馬場を激走した反動を心配していた鞍上だが「まだ成長途上で走るフォームも完璧ではない。だから疲れがしっかり取れているのか心配だったが、きょうの動きなら大丈夫」と笑顔を見せた。

 鞍上の感触を裏付けたのが池江師の見解。「前走はこの時期の3歳にしては驚異的な時計」とした上で「スタッフが十分なケアをしてくれたおかげで反動もなく順調に調整できた。直線の手応えもよかった」と納得の表情。2頭出しの僚馬を比較し「ワールドエースはまだ“やんちゃなボンボン”という感じだが、ホマレボシは“生徒会長”。欠点がほとんどない」と評する。

 臨戦態勢は整った。あとはレースを待つだけ。「一緒に走った馬が少ないので、作戦はじっくり考えたい」とウィリアムズ。毎週金曜に週末の騎乗馬全てのレース映像をチェックする研究熱心な鞍上は「前走の競馬ができれば自信はある。ダービーを勝てる馬だよ」と力強く締めくくった。超新星は輝きを増す一方だ。

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2012年5月24日のニュース