【日本ダービー】ブリランテ、ラスト鋭伸12秒0

[ 2012年5月24日 06:00 ]

<日本ダービー>岩田騎手を背に、僚馬ゲンテン(右)を突き放すディープブリランテ

 ディープブリランテは坂路へ。ゲンテン(3歳オープン)を前に置いて課題の折り合いを確かめた。最初の1F13秒9から徐々にペースアップして残り400で並びかけると、ラスト1Fはグイッと伸びて12秒0をマーク。NHKマイルCで騎乗停止となってからの3週間、矢作師に志願して付きっ切りで調教をつけてきた岩田は、並々ならぬ手応えを口にした。

 「これ以上求められないね。それぐらい馬と分かり合えた。この3週間をあの馬と一緒に過ごせたことは凄く良かった。調教をつけたいと言って、OKしてくれた先生や助手さんには凄く感謝している」

 ダービーへの道は、決して平たんなものではなかった。誰からも非凡な素質を認められながら、掛かり癖が弱点として付きまとった。皐月賞でも2角まで行きたがり、その分だけ直線で伸びを欠いての3着に終わった。レースで全力を発揮させたい――目指すところは同じにもかかわらず、厩舎スタッフと岩田、両者の考えがぶつかることもあった。矢作師が表情を引き締め、口を開いた。

 「葛藤もあったし、意見の衝突もあった。でも、今は解消されて同じ方向に向かっている。今回が集大成としてやれることはやれた。生涯最高の出来。一点の曇りもない」

 そして岩田は「折り合いさえつけば、2000メートルでも2400メートルでも一番強い。それは自信を持って言えます」と自らを鼓舞するように締めくくった。

 人と馬、そして人と人との絆の強さを、大一番で証明してみせる。

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2012年5月24日のニュース