【日本ダービー】エタンダール、異例の火曜追い!

[ 2012年5月23日 06:00 ]

<日本ダービー>左回りで、松岡を背に追い切るエタンダール(右はゴッドエンブレム)

 一足早く臨戦モードに突入だ。競馬の祭典「第79回ダービー」(27日、東京)に出走する青葉賞2着馬エタンダールが22日、栗東トレセンで異例の火曜追いを敢行した。コンビを組む松岡正海騎手(27)が騎乗し、実戦さながらの猛稽古。ダービー2勝目を狙う藤原英昭師(46)が放った勝負手に激走ムードが漂う。東京スカイツリー開業日に、フランスの戦闘機から馬名をもらった伏兵が躍動。穴馬は空からやって来る!!

 ダービートレーナーが打った勝負手は、異例の火曜追いだった。青葉賞2着で出走権を獲って挑むエタンダール。美浦から駆けつけた松岡が騎乗し、午前6時の開門直後に栗東CWコースに入った。

 ゴッドエンブレム(7歳1600万)を3馬身先行させてスタート。鞍上が制御に苦労するほど、気合を前面に出して向正面を進む。3~4コーナーで射程圏に入れて直線へ。残り200メートルで馬体が並んだが、瞬時に抜き去り3馬身突き放してゴールした。ラスト1Fは11秒6。パートナーに騎乗していた調教助手が「その時計じゃ追いつけないはずだ」と舌を巻くほどの切れ味だ。

 「テン(最初)から掛かっていたが、最後も凄い脚を使った。短期間で思った以上に力をつけている。これなら楽しみがある。栗東まで来たかいがあった」。松岡は驚きを交えながら、ストレートな表現で好感触を伝えた。

 今回が3戦連続のコンビ。2走前の山吹賞は3F33秒3と、直線で追い込み馬並みの加速力を発揮しての逃げ切りV。「ペースは遅かったが、向かい風が強い、厳しい条件だった」と鞍上は振り返る。前走・青葉賞は直線で他馬と接触する不利もあった。2戦の感触を踏まえた上で松岡は「凄い瞬発力がある。青葉賞2着と言うとパンチがないが、そういうイメージより全然やれる」と力強い。

 出走週の追い切りは水曜か木曜に行われるのが通常。異例の火曜追いの理由を藤原英師は「あえて言うならインスピレーション(ひらめき)」と語り、さらにこう続けた。「相手は強いし能力差があるのは分かっている。だから日々の調教で差を縮められるよう、何かをやっていかなければ。火曜追いはその一環。レースまで1日余裕があることで、いろいろ調整もできる」。栗東のコース調教は基本右回りの一方通行だが、日、火曜は左回り。東京競馬場と同じ左回りで負荷をかけるのも狙いの一つだ。

 エイシンフラッシュで10年ダービーを制している名トレーナーは、常に勝てる「何か」を模索する。「上半期の大目標だし、この後はゆっくりさせられるから、きっちり仕上げていく。成長を促す時期でもあるが、そこは勝負だからね。あとは馬が応えてくれれば」。奇策ではない。経験に裏打ちされた勝負手が、競馬の祭典をさらに熱くする。

 ≪馬名の由来は戦闘機≫エタンダールとはフランスの航空機メーカーであるダッソー社が開発した戦闘機のシリーズ名。空母に搭載される艦上戦闘機や偵察機として使用され、70~90年代にはフランス海軍の主力機種だった。アルゼンチンやイラクにも導入され、フォークランド紛争(82年)やイラン・イラク戦争(80~88年)にも実戦投入された。

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