【日本ダービー】ゴールド“結果的に”黄金配合

[ 2012年5月23日 06:00 ]

皐月賞表彰式での出口社長

 「第79回ダービー」で2冠を狙う皐月賞馬ゴールドシップ。その故郷、出口牧場(北海道日高町)は、大舞台を走りきることを第一に願っている。生産した競走馬の無事、人とのつながりを重んじてきた出口俊一社長(55)に決戦を迎える胸の内を聞いた。

 父ステイゴールド、母の父メジロマックイーンは、グランプリ2勝馬ドリームジャーニー、4冠馬オルフェーヴルを出した今をときめく黄金配合。08年の種付け当時、どんな狙いでポイントフラッグにステイをかけたのか。そこには生産者としてのポリシーがあった。

 <出口社長>レースが決まったら、まず無事出走、そして無事ゴール。それが一番大事。ポイントの子は大きな馬が多かった。牡馬ならデビュー時から500キロ前後あった。だから軽さを出したいと思い、小林オーナーに相談してステイを選んだ。馬体が軽ければ故障のリスクを少しでも減らすことができる。牡馬なら480キロ、牝馬で460キロが目安。実は後から周囲に言われ“そういえばジャーニーと同じ配合だなあ”と思った。

 ところが、その思いに反してゴールドシップは生まれてきた。

 <出口社長>びっくりした。ステイ産駒にしてはあまりに大きすぎた。同世代の子より一回り二回りも大きかった。須貝(尚介)師も初めて見て「立派な馬だね~」と話していた。ただ、とにかく丈夫だった。食欲旺盛で病気らしい病気はなかった。健康優良児。今思うと多少やんちゃだったかな。私もよく引っ張られたなあ。

 日高の山から引いた水を飲んですくすくと育った“想定外”の大物クンは昨夏、函館で衝撃のデビュー戦Vを飾った。

 <出口社長>新馬戦でレコード勝ち?記憶にない。それも後方から追い込んでのものでインパクトがあった。(2連勝で臨んだ)札幌2歳Sは力を出し切れず2着。本音を言えば勝ってほしかった。一緒に競馬場で応援していたオーナーと口取りをしたかった。

 ラジオNIKKEI杯2歳S2着、共同通信杯Vで臨んだ皐月賞。親戚ら十数人と中山競馬場で観戦。4番人気に推され、牧場開業以来初となるG1タイトルをもたらした。

 <出口社長>あの日、初めてパドックに入ったが、前走から8キロ減(498キロ)でも細くは見えなかった。師は“ギリギリに仕上げた”と話していた。レースでは直線抜け出していたが、ゴールに入るまでは分からないから「行け~」と声を出していたよ。勝った後は自分自身の喜びというより、感謝の気持ちが強く湧いてきた。長年にわたって牧場を支えてくれたオーナーをはじめ、関係者の方の喜ぶ顔が見たいと思った。少しは恩返しできたのかなと。

 まもなく夢のダービー。日高にある家族経営の小規模牧場で生まれた“黄金の船”は日本中のファンの注目を集める存在となった。

 <出口社長>とにかく無事出走してゴール。それに結果が伴えば最高。あまり目立たなくなったと言われる日高産馬が活躍して、多少なりとも活力になればいいですね。

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