【ヴィクトリアM】ホエール悲願のG1初制覇

[ 2012年5月14日 06:00 ]

<ヴィクトリアM>レースを制したホエールキャプチャ。鞍上の横山典弘騎手はガッツポーズ

 ついに大魚を釣り上げた!!「第7回ヴィクトリアマイル」が13日、東京競馬場で行われ、4番人気ホエールキャプチャが好位から抜け出して快勝。G1では惜敗続きだった4歳馬が、6度目の挑戦で悲願のG1初制覇を果たした。横山典弘騎手(44)は10年ブエナビスタに続くレース2勝目でG1通算21勝目。田中清隆師(60)は01年オークス(レディパステル)以来のG1・4勝目となった。

 より白さを増した馬体はそれだけキャリアを重ねたことの証。惜敗続きの戦歴に、ホエールキャプチャがついに終止符を打った。鞍上の横山典も大喜び。先頭でゴールに飛び込むと右手を大きく上げ、ムチもゴーグルも投げた。そしてデットーリ・ジャンプ!!10年オークス(サンテミリオン)以来のG1勝利に、44歳のベテランは「久しぶりのG1勝ちなので、うれしい。ジャンプ?いい年なので、そろそろできなくなるから」と会心の笑みを浮かべた。

 一生懸命やっていれば、いつか報われる。それがこの日だったということだろう。田中清師は「ある程度やれる自信はあったが勝ててホッとしている。力があるのは分かっていたので、いつか(G1を)獲れると思っていた」と胸をなで下ろした。

 2歳時からG1の主役を務めてきたが惜敗続き。桜花賞、秋華賞は1番人気に推されたが勝てなかった。それでもデビューから1度も掲示板を外したことがないように、常に全力を出し切るのが持ち味。前走からコンビ再結成となった横山典も「着順はどうあれ、いつも一生懸命走ってくれる。頭が下がる思い。頑張り屋さんです」と愛馬を称えた。

 休み明けを使って「中身が全然違ったし普段の動きも違った」(田中清師)と体調は万全だった。加えて、これまで足りなかった「+α」をもたらした名手の読みと手綱さばきも見逃せない。スタートを決めると「ペースが上がらないと思ったし自分で(位置を)取りにいった」と積極的に前へ。道中はインの3番手で運び、直線はギリギリまで追い出しを待った。「2歳時に1頭になるとフワフワするところがあったので、勝ちを焦らないように乗った」。併せ馬の形だったドナウブルーが外へ外へと行くのを「どうしたのかなと思った」と振り返るほど、最後まで余裕があり、手応えも残っていた。

 念願のG1馬となったホエールキャプチャ。師は「体もマイラーっぽくなってきたので、そういうところかなと思うが、これからオーナーと話し合う」と語るにとどめ、次走は安田記念(6月3日、東京)か宝塚記念(6月24日、阪神)になる見通しだ。いずれにしても牡馬相手の厳しい戦いとなるが、これまで走った唯一の牡馬混合戦(芙蓉S)では後の3冠馬オルフェーヴルを下している。ついに壁を乗り越えた4歳牝馬は、いくら相手が強くなろうとも、持てる力を全て出し切るに違いない。

 ◆ホエールキャプチャ 父クロフネ 母グローバルピース(母の父サンデーサイレンス)牝4歳 美浦・田中清厩舎所属 馬主・嶋田賢氏 生産者・北海道新ひだか町千代田牧場 戦績13戦5勝 総獲得賞金3億5491万7000円。

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