【天皇賞・春】オルフェ まさかの11位惨敗で凱旋門白紙

[ 2012年4月30日 06:00 ]

<天皇賞・春>見せ場無く11着に敗れたオルフェーヴル。その先では、1着ビートブラックの鞍上・石橋脩がガッツポーズをする

 オルフェ、まさかの惨敗。最強古馬決定戦「第145回天皇賞・春」が29日、京都競馬馬で行われた。断然1番人気を背負った昨年の3冠馬オルフェーヴルは後方3番手を進んだが、直線伸びを欠いて11着同着の大敗。遠征プランのあった凱旋門賞(10月7日、仏ロンシャン競馬場)の挑戦も含め、今後のローテーションは白紙となった。

 オルフェーヴルに何が起きたのか?8万大観衆の歓声とため息が交錯する中、単勝1・3倍の大本命馬は力なくゴールを駆け抜けた。優勝したビートブラックの騎手・石橋脩の背中は視線も届かない12馬身以上も先。前年優勝馬ヒルノダムールと鼻面を並べるまさか、いや想像すらできない11着。

 「きょうは馬場に脚を取られて。直線で4、5回つまずいた。硬いし、芝が密に生えていない特殊な馬場。あと返し馬の時、フットワークが硬いな…と。下を気にしていたのか、いつもの柔らかさはなかった。調教再審査で2週連続、ダート(Eコース)に入った影響なのか…」と池添。阪神大賞典の逸走で調教再審査はクリアしたが、普段の坂路で追い切れない代償は大きかった。

 さらに破天荒なレース展開も追い打ちをかけた。ゴールデンハインド、ビートブラックがペースを落とさない逃げで引っ張る。15馬身後ろのナムラクレセントがポツンと3番手。逆にオルフェは後ろから3番手。金縛り!?動くに動けない。2周目3コーナーでも後方2番手では、たとえ3F32秒台の剛脚を使ったとしても無理だった。後ろすぎた。

 オルフェも怪物ではなかった。皇帝シンボリルドルフと並ぶ最速5冠の夢は消滅。凱旋門賞の参戦プランも白紙となった。池江師は「凱旋門賞?登録(5月9日締め切り)をするかも含めて今後は白紙です。宝塚記念も選択肢にありますが、いずれにしても体をしっかりチェックして、敗因を見極めたい。出直しです」と沈痛の表情で語った。光り輝いた昨年と一転、イバラの道に迷い込んでしまった現役最強馬。復権の時は果たして訪れるのだろうか。

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