【天皇賞・春】オルフェ、盾獲りへ“秘密特訓”

[ 2012年4月24日 06:00 ]

<天皇賞・春>断然主役のオルフェーヴル

 さあ、今週から6週連続のG1。幕開けとなる「第145回天皇賞・春」では昨年の年度代表馬・オルフェーヴルが5つ目のG1奪取に挑む。前走の阪神大賞典ではまさかの逸走、1年1カ月の黒星となった。その後は陣営一丸となって悪癖解消に取り組み調教再審査にも無事合格。名誉回復へ順調な調整が続いている。

 真の強さを見せる日が迫ってきた。オルフェーヴルにとっての天皇賞・春は単なるG1ではない。この先に広がる夢に向かって、お行儀のいいレース運びで勝つことが求められる。もちろん陣営も同じ思いだ。全休日の月曜朝、担当の森沢厩務員が緊張した面持ちで口を開いた。

 「(もう大丈夫という)確信はないけど、前走の内容を踏まえて調整してきたつもり。どんな工夫をしたかは企業秘密。でも、いろいろ考えることがあった。とにかくしっかり走れるように、そのあたりはしっかり考えてやってきた」

 前走・阪神大賞典は好スタートから中団外を追走。しかし1周目のスタンド前から行きたがり、向正面では早くも先頭に立ってしまった。そして3角。「1頭でポツンとなると曲がろうとしなくて…」と池添が振り返ったように、外ラチへ向かって逸走してしまった。しかしここからが最大の見せ場だった。

 一時は先頭から10馬身以上置かれたが、猛スパートをかけて4角手前では馬群に取り付く。ラスト1Fでは先頭に並びかけ“勝ってしまうのでは”と思わせたほど。最後はギュスターヴクライの半馬身差2着に終わったものの、あらためて“オルフェーヴル強し”を印象付けたことは間違いない。

 調教再審査となったレース後は、その審査が行われるEコースで訓練が始まった。以前はほぼ坂路での調整だったため、まずは帯同馬を付けての場慣らし。さらに1頭だけでのキャンターもこなした上で、11日の試験に挑んだ。結果は一発合格。この中間は追い切り以外でも池添がまたがるなど、たゆまぬ努力が実を結んだ。

 「1度使ったことで息遣いが良くなっているし、我慢も利いている。あとはレースで普通に走ってくれるように祈るだけ。僕は祈ることしかできないからね」

 今年の最大目標は10月にフランスで行われる凱旋門賞。イギリスのブックメーカーでは、早くも1番人気の支持も受けている。06年のディープインパクトを上回る注目度と言ってもいい。しかし、森沢助手はあくまで目の前の一戦に集中。「先のことは考えてもしようがないから。今回しっかり走れるようにするだけ」

 同じ過ちを繰り返すことは許されない。目指すは5つ目のG1タイトル。そのゴールは世界へとつながっている。

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2012年4月24日のニュース