【皐月賞】2日連続G1制覇も…柴田大、オオゾラはばたく

[ 2012年4月13日 06:00 ]

<皐月賞>柴田大はコスモオオゾラでクラシック初制覇を目指す

 「第72回皐月賞」の出走馬、枠順が12日確定。デビュー17年目の苦労人、柴田大知騎手(34)がコスモオオゾラでVに挑む。土曜の中山グランドジャンプでも有力馬マジェスティバイオに騎乗。2日連続G1制覇の期待が高まる。

 追い切り翌日の12日もコスモオオゾラの背には柴田大の姿があった。軽めの調教でも付きっ切り。大切な愛馬の感触を肌で確かめずにはいられない。「追った後も変わらず順調。いい意味で気合も乗っている。クラシック騎乗は本当にうれしい」

 デビュー17年目の34歳。同期に福永、和田がいる競馬学校花の12期生。デビューの96年は27勝。翌年にラジオたんぱ賞(エアガッツ)で重賞初制覇と順調だったが、フリー転身後に騎乗数が激減。06~07年は0勝の悲哀も味わった。

 「同期が勝っていて焦りもあった。どうしたら勝てるのか?いつも考えてばかりで体が動かない。周りからは調教助手への転身も勧められた。でも、辞める気はなかった。ずっと馬に乗っていたかった」

 05年冬には騎乗数確保のため障害にも乗った。少しずつ足を前に踏み出し、08年1月の障害未勝利戦(ジンデンバリュー)で3年ぶりの白星を挙げた。「障害は危険で簡単なものではないことは分かっていた。でも、新しいことに挑戦したかった。思い切って跳びました。乗り鞍が増えたのはそれから。応援していただいた関係者のおかげです」

 09年から徐々に騎乗依頼が増加。「マイネル軍団」の目にも留まった。マイネルネオスで挑んだ昨年7月の中山グランドジャンプで悲願のJ・G1初制覇。そして男泣き。2走前の共同通信杯5着から騎乗したオオゾラも縁と絆ゆえの依頼だった。「弥生賞は強い勝ち方だった。状態が悪い坂路でもスイスイ走る馬なので道悪は合うのだと思う。できれば雨が降ってほしい」

 14日の中山グランドジャンプは昨年暮れの中山大障害優勝馬マジェスティバイオとのコンビ。そして皐月賞はオオゾラ。共に優勝候補だ。「マジェスティは前走(ペガサスJS)が本当に強かった。昨秋と比べてもかなり力を付けた。2日連続有力馬?ありがたいし楽しみ。平常心を心掛けて乗りたい」。幾多の苦難を乗り越えた苦労人は喜びをかみしめて大舞台に挑む。

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