【皐月賞】エース絶好調!池江師「オルフェ以上」

[ 2012年4月12日 06:00 ]

<皐月賞>坂路で、福永を背に併せ馬で追い切るワールドエース(右はジャポニズム)

 偉大な父の軌跡を追って真打ち登場だ。牡馬クラシック1冠目「第72回皐月賞」(15日、中山)の追い切りが11日、美浦、栗東トレセンで行われた。栗東では3冠馬ディープインパクトを父に持つワールドエース(牡=池江)が、主戦の福永祐一(35)を背に迫力あふれる動きで絶好調をアピール。池江泰寿師(43)も自信をみなぎらせ、父に続く皐月賞V、そして3冠制覇への第一歩を踏み出した。同レースは12日に枠順が確定する。

 たまらない動きだったよ。ワールドエースの追い切り直後、福永の表情には確かにそう書いてあった。

 「力を抜くところでしっかり抜いていたし、今までの中で一番。凄い追い切りだった」

 朝一番の坂路。ワールドエースはジャポニズム(5歳500万)を1馬身追走した。抑え切れない手応えでインへ。しきりに手が動く僚馬を見切ったかのように残り200メートルで加速すると、一瞬にして1馬身突き放した。53秒0~12秒7を涼しい顔でマークした。

 福永の絶賛を受け、池江師もこう語った。「沈むようなフォームと素晴らしいバネがある。タイム以上に内容が良かった」

 この厩舎だから語れるぜいたくが2つある。まずは昨年の3冠馬との比較だ。池江師は「同時期のオルフェーヴルと比べても互角か、それ以上の評価はできる」と力強く話した。普通なら3冠馬との比較などできるものではない。それを可能にするのはワールドエースが信頼に足るだけの高い能力を秘めているから。オルフェーヴルも当時は成長の途中だった、ということもあるだろう。

 もう一つは池江師の父(泰郎氏=スポニチ本紙評論家)が管理し、この馬の父でもある名馬ディープインパクトと大胆にも比較できる点だ。「さっき武豊騎手に、後ろ姿がディープに似ているよ、と言われたんだ」と指揮官は喜んだ。前走がデビュー以来、最も軽い体重(446キロ)だったが、このあたりにも池江師は最強馬の姿を重ねる。「ディープもこの時期、レースを使いながら体重が減っていった。ガレている印象もないし、気にする必要はないと自分に言い聞かせている」と笑った。

 ゲートに難があるワールドエース。父ディープインパクトも皐月賞ではスタート直後につまずき、落馬寸前の不利を受けながら1冠を手にした。そんな勝ち方まで似てしまうかも、と想像したが、池江師は首を振って「入念に矯正したので今回は大丈夫」と笑って語った。父、そして厩舎の先輩。2頭の3冠馬の背中をワールドエースが力強く追いかける。

続きを表示

2012年4月12日のニュース