女子オートレーサーの坂井宏朱さん激突死…練習中に落車

[ 2012年1月16日 06:00 ]

練習中の事故で亡くなった坂井さん。去年7月30日にデビューしたばかりだった

 千葉県船橋市の船橋オートレース場で15日、女子レーサーの坂井宏朱(さかい・ひろみ)さん(27)が練習中に転倒し、頭蓋骨骨折で間もなく死亡した。

 坂井さんは44年ぶりに誕生したオートレース女子2選手の1人だった。オートレース場で練習中に死亡事故が起きたのは5度目。昨年7月に同レース場でデビューした女子レーサーの事故死に衝撃が走った。

 悲劇は最終12R終了から約20分後の午後4時20分ごろ起こった。坂井さんは夕方の走路練習で選手仲間数人とコースを走っていたところ、1コーナー付近で競走車から落車。フェンスに設けられた鉄製の緩衝帯に激突し、頭などを強打した。

 関係者によると、他選手との接触はなくヘルメットをかぶっていたが、落車後はかなりのスピードで緩衝帯にぶつかったという。すぐにドクターカー(救護車)が事故現場に駆けつけ、場内の医務室に運ばれたが、午後5時13分に死亡した。オートレース場の死亡事故は50年にオートレース開催が始まってから93例目。練習中の死亡事故は5例目だった。

 この日の第1Rには愛車J・ロビンソンでレース(6周戦)に臨み6着。4周目までトップを走る健闘を見せていた。それからわずか6時間後に帰らぬ人となった。夜には悲報を受けた神奈川県内に住む両親が船橋レース場に駆けつけ、無言の対面。その後、遺体は警察車両で所轄の船橋署へ搬送された。

 午後8時10分すぎ、事故現場となった1コーナー付近と坂井さんのロッカーには師匠だった永井、佐藤らレーサー仲間約30人が悲痛な表情で花を手向けた。「坂井選手が亡くなったことが信じられません。あまりにも突然のことで今は何も言えません」と声を詰まらせる佐藤。永井は悲しみをこらえて16日の船橋12Rに出走する。

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