【有馬記念】オルフェ3歳4冠!来年は凱旋門賞獲りだ

[ 2011年12月26日 06:00 ]

<有馬記念>レースを制したオルフェーヴルの池添騎手はガッツポーズ

 1強時代の幕開けだ!中央競馬の一年を締めくくるグランプリ「第56回有馬記念」が25日、中山競馬場で行われた。1番人気に推された今年の3冠馬オルフェーヴルが苦しい展開をはねのけて快勝した。3歳3冠馬の有馬制覇は史上3頭目。09年に勝った兄ドリームジャーニーとのきょうだいVという史上初の快挙も達成して“日本制圧”。来年はいよいよ海外制覇へ飛躍する。

 3冠馬は強かった。あきれるほどに。「強かったという言葉しか出てこない。これまで11回乗ってきて一番厳しい競馬。その分、一番強い競馬だったと思う」。手綱を取った池添は最大級の賛辞を愛馬に送った。

 苦しいレースだった。スタートで立ち遅れ、ポジションを挽回できないまま、気がつけばインの後方2番手。流れは超のつくスローペース。「きついな」。池添がそう感じた時点で、11万大観衆で埋まったスタンドもどよめいた。

 しかし、それも強さを際立たせる“演出”にすぎなかった。一瞬できたスペースを逃さず外に持ち出し、徐々に上昇。4角で前を射程圏に捉えると直線ははじけた。昨年のダービー馬エイシンフラッシュに3/4馬身差だが、着差以上のインパクトがあった。池添は「スピードの乗りが抜群で、沈むようにハミを取って進んでくれて、ねじ伏せるように伸びてくれた。他馬が瞬発力勝負をした中で、1頭だけ違う競馬をした」とその強さを表現した。

 デビューから手綱を取り続ける池添には、秘めた思いがある。「外国人が来てパッと勝っちゃう今の時代だけど、長くコンビを組んでいるのは大きなアドバンテージ。この馬に関しては自分が一番うまく乗れると思っている」。一回でもミスをしていれば3冠、そして4冠はなかった。計り知れない重圧の中でパートナーの力を最大限に引き出してきた。「この馬のおかげで精神面はもう大丈夫かな」。人馬がともに成長を遂げ、暮れの大一番をも手に入れた。

 3歳で有馬記念を勝った3冠馬は史上3頭目。池江師は父・泰郎師が管理した3冠馬ディープインパクトですらできなかった偉業を成し遂げた。それでも師は「あの馬は別格」と謙遜する。真の“ディープ超え”はディープがなし得なかった凱旋門賞を勝ってこそ。今後はドバイ挑戦も視野に入れて調整されるが、来年の最大目標は凱旋門賞。父子ゆかりの血統のオルフェーヴルで日本馬の悲願に挑む。

 人馬、そして父子の「絆」の力を見せつけたオルフェーヴル。その絆がある限り、この馬はまだまだ強くなれる。「これでこの馬が日本一と証明できた。来年は世界一と言えるように頑張っていきたい」と池添。世界よ、待っていろ!

 ◆オルフェーヴル 父ステイゴールド 母オリエンタルアート(母の父メジロマックイーン) 牡3歳 栗東・池江厩舎所属 馬主・(有)サンデーレーシング 生産者・北海道白老町白老ファーム 戦績11戦7勝 総獲得賞金8億1897万8000円。

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