川村昭男師、勇退…繊細さで積み上げた326勝

[ 2011年12月23日 06:00 ]

勇退を決めた川村昭男調教師

 【地方競馬です!!】競馬人生の“還暦”を迎え、川村昭男調教師(74=船橋)が31日付での勇退を決めた。21日、浦和競馬メーンに管理馬コールニーシュを出走させたのが最後のレース。愛馬が7着でゴールするのを見届け、「体力の衰えを感じたのが引退のきっかけだけど、やり残したことはないし楽しかった」と晴れ晴れとした笑顔を浮かべた。

 実家(北海道・室蘭)の裏が競馬場だった縁で15歳で競馬界に入った。「まだ今みたいな免許制度はなく、馬と一緒に貨車で北海道や大阪、他にもいろんな所に行って乗ったんだよ」。騎手として全国を渡り歩き、61年に騎手を引退。船橋で厩務員、調教師補佐を経て82年に調教師デビュー。通算326勝(重賞3勝)を挙げた。

 「1頭1頭の個性を見極めるのが大事。前向きな性格だからどんなことでも苦労とは感じなかった」と繊細で温かい視線を馬たちに注ぎ続けてきた。重賞2勝コアレスタイムが蹄に不安を抱えながら4年にわたって短距離戦線で活躍したのも、こうした細やかな配慮があったからだ。厩舎の大将コアレスピューマと8連勝中のシャイニードラゴンは坂本昇厩舎へ転厩。「シャイニーはまだ成長途上だからもう少し見ていたかったが」と寂しそうな顔をしたが、これからは愛馬の行く末をのんびり見守っていく。 (秋田 麻由子)

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2011年12月23日のニュース