【阪神JF】アイムユアーズ「時計出ちゃう」

[ 2011年12月8日 06:00 ]

<阪神JF>坂路を駆け上がるアイムユアーズ

 2歳女王決定戦「第63回阪神JF」の最終追いが7日、東西トレセンで行われた。重賞初制覇を飾ったファンタジーS優勝後、栗東で調整中の関東馬アイムユアーズは坂路で迫力満点の動き。美浦から駆けつけた手塚貴久師(47)も好感触を得ており、重賞V2で頂点を射止めそうな勢いだ。

 アイムユアーズの脚力には、美浦から駆けつけた手塚師も驚きだ。ハロー掛け直後の坂路コースをスピード感満点に外ラチ沿いを駆け上がってきた。手綱を抑えたままで4F52秒3~1F13秒1。坂路モニターをじっくり見入っていた師は本音で切り出した。

 「速くない!?馬なりなんだけどね。イメージしている以上に時計が出ちゃう」

 その表情には少々、笑みも交じっている。百戦錬磨の古馬ならいざ知らず。きれいに整地された直後の絶好馬場とはいえ、デビュー半年に満たない2歳牝馬が無理せず出した時計にしては速い。ファンタジーS快勝後は美浦に帰らず、栗東で調教を進めてきた。迫力満点の動きが順調の証だ。

 「栗東入りした後も変わりなく来ている。前走もいい仕上げだったけど、それでも上積みはあると思う。それにしても、前走は思った以上に強かった」

 指揮官が絶賛した通り。ファンタジーSは1頭だけ次元の違う末脚で突き抜けた。美浦~京都は直前輸送でも体は減るどころか4キロ増。「この馬、輸送には強い。美浦にいた時より増えていたぐらいだからね。それに函館でデビューした時より気持ちの方も入ってきた。今は時々ポワ~ンとするけど、自己主張する面も出てきた。競走馬らしくなってきた」。繊細な2歳牝馬には珍しい“癒やし系”だから、レース前に消耗することなく、函館でも京都でも堅実に走ってきた。確実な末脚が最大の武器だ。

 ここまで順調なら、あとはテン乗りで結果を出したメンディザバルに手綱を委ねるだけ。「母系は長いところは大丈夫だし、距離もマイルまでは全然気にしていない。最後は必ず伸びてくれる馬だから」。99年厩舎開業から13年。手塚師は悲願のG1優勝を祈っていた。

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2011年12月8日のニュース