【JCダート】ダノンカモン“未完の大器”返上だ

[ 2011年11月30日 06:00 ]

<JCダート>タイトル奪取を狙う未完の大器ダノンカモン

 トランセンドVSエスポワールシチー2強ムードの「第12回ジャパンカップダート」。だが、未完の大器ダノンカモンに下克上の可能性十分。ソラを使う(気を抜く)癖で勝ち切れないものの、秘めた能力は文句なし。仕掛けのタイミングを決めてタイトル奪取だ。

 ダノンカモンは安定感のある馬だ。昨年10月にオープンに昇級して以降、10戦して9連対。着外はフェブラリーS(4着)の1回しかない。しかし裏を返せば勝ち切れない面もあり、1着3回に対して2着は倍の6回。ここ2走は直線でいったん先頭に立ちながら、ゴール前で逆転されているから実にもどかしい。陣営の悩みもそこにある。

 「抜け出すとほかの馬と一緒に走りたがるんですよ。先頭に立つタイミングがどこになるか、ですね」

 音瀬助手は苦笑いを浮かべるばかりだ。ただし、能力の高さは言うまでもない。前々走の南部杯では直線、トランセンドさえも「予想以上に早くつかまえて」先頭に立ってしまったほど。最後は差し返されて頭差の2着に終わったが、尻尾を振っていたように集中力を欠いたことが敗因だ。

 前走の武蔵野Sも同様だった。ラスト1Fで抜け出したが、ゴール前でナムラタイタンにかわされ2着。「レース後は疲れも見せずケロッとしてました」と真面目に走っていなかったことを示唆する。

 詰めを欠く一方で、レースの疲れが残りづらいのが長所。9月のエニフSから中2週→中4週→中2週とコンスタントに使われてG1参戦。通常なら出来落ちも心配されるが「疲れはないですよ。いい出来だった前走と同じぐらいで挑めそうです」ときっぱり。火曜朝も角馬場から坂路1本で、元気いっぱいだった。

 あと1つポイントを挙げれば距離か。ダート9F戦は2回目となる。昨年7月の柳都Sは4着だったが「当時と比べると力をつけてますし、そんなに不安はないですよ」と音瀬助手は平然としたもの。 

 もうワンパンチあれば…。後ろを振り返りながら「カモン!」と言わんばかりの押し切りも夢じゃないはずだ。

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2011年11月30日のニュース