【マイルCS】54キロの桜女王、反撃ムード

[ 2011年11月18日 06:00 ]

厩舎周りを運動するマルセリーナ

 【G1ドキュメント・17日】マイルCSで3歳牝馬の戴冠はない。だが、井上はレースのキーワードは「牝馬」と見ている。距離が延びれば牡馬混合G1では苦戦するがマイルまでなら互角だ。その年の桜花賞馬のマイルCS戦績は2着2頭(97年キョウエイマーチ、04年ダンスインザムード)、3着1頭(05年ラインクラフト)。この壁をマルセリーナなら打破できるかも…そんなワクワク感を井上は抱いた。栗東の松田博厩舎へ。洗い場で持ち乗り担当の大當篤志助手はリップサービスを惜しまない。

 「今は脂肪が筋肉に変わってきている時期。これからどんどん良くなっていくと思う」

 桜花賞制覇の後、オークスは1番人気4着。同世代の牝馬同士なら2400メートルでもと思ったが、本質的に少し長かった。秋初戦のローズSは16キロ増で6着。秋華賞は18頭の大外発進で7着。びっしり攻めを積んでも馬体重はローズSと変わらなかった。「脂肪が筋肉に変わる」時期だったのだ。このデリケートな変革が順調に進んだからこそ、身のこなしがスムーズになった。安藤勝を背にした先週の併せ馬は秀逸。「アンカツさんは、良過ぎるくらいの反応だったと言っていた。今週は自分が乗ったが本当に感触が良かった」と振り返る。

 「春は甘かったトモも今はいい。休み明けで一番の出来。カイバは食べ過ぎるくらいだから攻められる」。2週連続満点の併せ馬を消化。強敵相手でも「どれだけやれるか楽しみ」は井上も同じ。3歳牝馬で重量54キロ。桜女王の反撃に熱視線だ。

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2011年11月18日のニュース