【JBCクラシック】“圧逃”ファルコン連覇

[ 2011年11月4日 06:00 ]

<JBCクラシック>レースを制したスマートファルコンの武豊騎手は馬上でガッツポーズ

 ダート競馬の祭典「JBC競走」が3日、大井競馬場で行われ、「クラシック」は単勝1・2倍の1番人気に支持されたスマートファルコンがトランセンドを振り切って逃げ切りV。重賞7連勝、G14勝目を挙げるとともに同レース連覇を決めた。「スプリント」はスーニが2年ぶりにこのレースを制覇。新設の「レディスクラシック」はミラクルレジェンドが優勝した。

 壮絶なマッチレースを展開したスマートファルコンとトランセンドが並んで引き揚げてくると、3万3000人をのみ込んだスタンドから拍手が起こった。ついに実現したダート頂上決戦。ファンは世紀の対決に酔い、余韻をいつまでも楽しんだ。

 スタートを決め、ハナを切った武豊・スマートファルコン。だが藤田・トランセンドも3馬身後方からピタリと追走した。離れてシビルウォー。4番手以下は、はるか後方だ。実質的に2頭の勝負。直線を向いた。先にトランセンドにムチが飛ぶ。ここぞとばかりに武豊もステッキを入れる。ファルコンがグッと反応した。引き離す。南部杯で驚異の差し返しを見せたトランセンドも食らいつく。だが差は詰まらなかった。1馬身抑えて逃げ切り。武豊は左手を強く握りしめた。

 「本当に強い馬だと思いながら乗っていた」。JBCクラシック5連覇を決めた武豊は冷静だった。マークされるのは分かっていたが迷いはなかった。「自分の競馬をするだけ。最後まで気は抜けなかったが頑張ってくれた」と馬を称えた。

 小崎師もホッとした様子だ。「理想的な競馬だった。ただ、2着馬も強い。このままずっとライバルでいくのだろう」。次走は状態次第でジャパンCダート(12月4日、阪神)。その先には大目標であるドバイワールドC(12年3月31日)が控える。「勝つつもりでドバイに行く」と指揮官。トランセンドも同じローテーションを歩む予定だ。宿命の対決は師走の大一番、そして中東での決戦へと続いていく。

 ◆スマートファルコン 父ゴールドアリュール 母ケイシュウハーブ(母の父ミシシッピアン)牡6歳 栗東・小崎憲厩舎所属 馬主・大川徹氏 生産者・北海道新ひだか町の岡田スタッド 戦績31戦21勝(南関東14戦10勝)総獲得賞金8億6073万6000円。

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2011年11月4日のニュース