【秋華賞】ラスト1冠譲れん!ホエール最速12秒0

[ 2011年10月13日 06:00 ]

池添を背に坂路を駆け上がるホエールキャプチャ

 「第16回秋華賞」の追い切りが栗東、美浦両トレセンで行われ、栗東ではローズSを制したホエールキャプチャが坂路4F51秒4、ラスト1F12秒0と抜群の切れを披露。ラスト1冠奪取へ万全の態勢を整えた。

 最後の1冠は譲れない。ホエールキャプチャの走りは決意表明そのものだった。主戦の池添を背に、ハロー明けの坂路で4F51秒4の好時計。弾むようでいて、なおかつ力強い。残り2Fから加速し、直線はラチ沿いを真一文字に駆け上がった。

 少し時計の掛かる馬場で、馬なりのままラスト1Fは12秒0。これはレッドディザイア(12秒1)やオルフェーヴル(12秒2)といったG1馬を抑え、この日の最速タイム。池添は「時計は少し速くなったが、しまいも無理していない。今までで一番いいなという感じ」と絶好調を宣言した。

 栗東に駆け付けた田中清師も満足げ。6日の1週前追いは4F53秒3だったが、日曜(9日)にも4F52秒1をマーク。予定以上に速い時計を連発しているが、師は「ローズSを使った後に良くなった。力強さや全体のボリューム感が出てきた。同じ時計でも楽に走れるようになった」と秋を迎えての成長を強調。秋華賞の翌週に定年を迎える蛯名厩務員も「日曜もあんなに時計が出ているとは思わなかった。それであの時計なんだから、よほどいいんだろうね。順調という以外にないよ」と状態面に太鼓判を押した。

 デビューから1度も馬券圏内を外したことがなく、【4320】。抜群の安定感を誇る一方で、G1では2、2、3着と涙をのんできた。それでも前走・ローズSは着差以上に強い内容で、確かな地力強化を印象づけた。

 池添は「G1を勝ち切れないのは僕のせいだと思っている。それだけに世代最後のこのG1だけは獲らなければいけない」と決意表明。田中清師も「春より断然いいし、ローズSよりも状態はアップしている」と自信満々だ。もう2着はいらない。春に大魚を逃した芦毛の実力馬が、ついに大物を釣り上げようとしている。

 ≪惜敗続き“要注意”≫春2冠で惜敗続きだった馬が秋華賞でG1初Vを飾るケースは少なくない。09年は桜花賞、オークスとも2着だったレッドディザイアがブエナビスタの3冠を阻止。05年には桜花賞4着、オークス2着のエアメサイアがローズSを勝った勢いで本番も制した。

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2011年10月13日のニュース