【スプリンターズS】安田ファミリー“一丸”3頭出し

[ 2011年9月28日 06:00 ]

 【G1ドキュメント・27日】慌てて上岡は双眼鏡を手にした。トウカイミステリーの背中には安田師の姿が。58歳の今も精力的。騎手として680勝を挙げた腕を振るっている。角馬場から坂路を1本。「この馬はおとなしいので、しょっちゅう乗っている。先週末も土、日とまたがった。変わりはないね。目に見えない疲れがあるかもしれないが夏場はいい馬なので」。調教後、はにかんだ笑顔で語った。ダッシャーゴーゴーの調教をつけたのが長男・景一朗助手で、カレンチャンが次男・翔伍助手。ファミリーで一丸となっての3頭出しだ。今年はここまで重賞7勝。厩舎には活気が満ちあふれている。

 そう言えばトウカイミステリーは安田師が騎手時代に唯一勝てなかった小倉の重賞、北九州記念を制した馬だった。その時は鮮やかな差し切り。「しまい勝負だから。前走(セントウルS11着)はオープンにしてはペースが落ち着いて競馬にならなかった」と今回も展開をポイントに挙げた。

 では、今回は?

 「ロケットマンはビデオを見てもゲートがメチャクチャ速い。フライングじゃないのかと思うぐらい。ただ、外国馬だけにね。ちょっと展開が読めない」

 渋面の後、安田師は最後にスパッとまとめた。「3頭とも自分の競馬をしてもらう。世界最強のスプリンターに胸を借りる立場。日本代表として立ち向かいたい」。作戦はシンプルに、ハートは熱く。そして日々の調教は着実に。ムードは日増しに上がっている。

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2011年9月28日のニュース