河野師“黒い交際”で免許剥奪…法廷で全面対決か

[ 2011年9月27日 06:00 ]

免許取り消し処分となった河野道文調教師

 JRAは26日、東京都港区の六本木事務所で会見を開き、美浦所属の河野通文師(61)の調教師免許を同日付で取り消すと発表した。

 河野師は昨年7月30日、以前から交際していた山口組系暴力団幹部に1000万円の借り入れを申し込まれ、大阪伊丹空港に現金を持参して貸し与えた。その際に担保として受け取った小切手が無効であることが判明。河野師が現金化できないことを大阪府警に相談したことで立件され、組幹部は詐欺容疑で今年3月30日に逮捕。既に公判は終了し、詐欺罪で懲役2年6月、執行猶予4年の判決が出ている。

 JRAは河野師と組幹部が06年に知り合い、その後も暴力団関係者であるという認識がありながら交際を続けてきた点を問題視。理事などで構成する裁定委員会が「免許取り消しが相当」との意見書を、8月12日に理事長に提出。河野師本人への4度の聴聞、学識経験者から成る公正審査会議の協議も経て、競馬施行規程第53条の6「競馬の公正かつ安全な実施の確保に支障を生ずる」に該当すると判断し、免許取り消しを決定した。

 河野師は調教助手を経て90年に調教師免許を取得し、翌91年開業。G1馬アサクサデンエンを育てるなど実績を積み上げてきた。25日にタレントのほしのあきとの結婚を発表した三浦皇成騎手が、08年に厩舎所属としてデビュー。師匠としてサポートした。

 決定を受けた同師は「私としては相手が暴力団としての認識はなかった」と反論。決定に対しての異議申し立て制度はなく「訴訟を起こす準備をしている」とJRAと全面対決の構えを見せている。

 ◆河野 通文(こうの・みちふみ)1950年(昭25)1月8日、岐阜県出身の61歳。90年に調教師免許を取得。91年9月29日にアサカリジェントで初勝利。通算4344戦493勝。05年安田記念(アサクサデンエン)など重賞11勝。関東優秀調教師賞5回。

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