熊本県荒尾競馬 9月議会で市長が廃止表明へ 

[ 2011年8月25日 19:49 ]

 赤字経営が続いている熊本県荒尾市の荒尾競馬の運営をめぐり、同市の前畑淳治市長は25日、同競馬場内で「9月の定例市議会で方向性を示したい」と記者団に述べた。荒尾競馬を共同運営する熊本県の蒲島郁夫知事と対応を協議し、2011年度中に廃止する方針を表明するとみられる。

 交流戦を共催している佐賀競馬(佐賀県鳥栖市)など、他の地方競馬にも影響を与えそうだ。

 荒尾競馬は近年、所属馬が減少を続け、レース編成にも苦慮。荒尾競馬組合によると、馬券の売り上げは1992年度の約159億円をピークに、10年度は約49億円にまで減少した。98年度から赤字経営が続き、累積赤字は10年度に約13億6千万円に達した。

 市によると、今年2月から競馬組合の会計方式を変更して公営企業化。組合が25日に公表した、収益に対する資金不足額の割合を示す10年度の「資金不足比率」は24・8%で、自治体財政健全化法の健全化基準(0%)を大きく上回った。

 競馬組合は「全国的に厳しい公営競技の経営環境を勘案すると、(法で義務付けられた)経営健全化計画を11年度中に策定するのは極めて困難」としている。

 前畑市長は同日、荒尾競馬の馬主や調教師ら関係者と会談し、今後の方針を説明した。

 地方競馬の監督官庁である農林水産省によると、最近では06年度に北海道のばんえい競馬から旭川、北見、岩見沢の3市が撤退。04年度には栃木県が宇都宮競馬を廃止している。

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