【天皇賞・春】キングダム苦手馬場でも52秒1

[ 2011年4月28日 06:00 ]

武豊騎手を背に坂路で追い切るローズキングダム

 今週は古馬の長距離王を決める「第143回天皇賞・春」が行われる。強力4歳世代が中心勢力となるが、その一角を占めるローズキングダムが27日、武豊を背に坂路単走で弾むような動きを披露した。苦手の重い馬場でも4F52秒1と真一文字に駆け上がって好調をアピール。朝日杯FS、ジャパンカップに続く3度目のG1獲りに向けてこのひと追いでキッチリ仕上がった。同レースの出走馬、枠順は28日午後に確定する。

 もともとがウッドチップでバリバリ動く方ではない。ローズキングダムは稽古より芝の実戦でいいタイプだ。武豊が手綱をとったこの日の坂路単走追いは先週水曜と同じく、時計を要するコンディション。苦手なはずの重い馬場にてこずるかと思いきや、体全体を使って躍動感あふれるフォームでスイスイ駆け上がっていく。抜群のスピード感でラップを刻み、最後は鞍上のゴーサインにもしっかり反応。ラスト1Fを13秒0でまとめて4F52秒1でゴール。この時計に加えて、モタれることなく、真っすぐ駆け上がってきた点を橋口師は評価している。

 「時計も動きも、だいたい想定通り。モタれ気味になるところがあったから、そのあたりを注意深く見たけど今朝は真っすぐ走っていたね」

 馬場状態や乗り手が違うだけに追い切りを単純に比較することはできない。それでも休み明けの前走(日経賞3着)とは雰囲気が一変している。前回は最終追い切りで4F52秒4~1F13秒6としまいの伸びを欠いて「13秒6なんて見たことない」と嘆いた橋口師も今回はトーンが全く違う。

 「振り返ってみると以前は苦しいところがあったのか、追い切りでもモタれていた。今は体調面に関して何も心配していないよ」

 今年に入ってからは日経新春杯がハンデ58キロ、日経賞が別定59キロで3着続き。今回は定量58キロで五分の条件となる。あとは力を出し切るだけ。橋口師がストレートに意気込みを伝えた。

 「去年のJCがああいう勝利(繰り上がりV)だったから今年はこの馬の本当の力を見せたいという気持ちが強い。強い馬はいるけどヒケはとらないと思っているよ」

 隙のない仕上がりで迎える淀の長距離決戦。強力4歳世代のG1・2勝馬が大一番で本領を発揮する。

 ≪強い4歳勢は10頭≫今年の4歳勢は強いと評判。ドバイワールドCを制したヴィクトワールピサが代表格だが、そのピサを昨年のジャパンCで3着に退けたローズキングダムも世代屈指の1頭だ。天皇賞・春には10頭の4歳馬が出走予定。1~3着を独占すれば00年(1着テイエムオペラオー、2着ラスカルスズカ、3着ナリタトップロード)以来の快挙となる。

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2011年4月28日のニュース