【天皇賞・春】世代交代もここだけは…キッツ狙う8歳V

[ 2011年4月27日 06:00 ]

<天皇賞・春>馬服を着せてもらうマイネルキッツ

 今週の京都日曜メーンは春の最強古馬決定戦「第143回天皇賞・春」。最も輝ける舞台に、今年もマイネルキッツが戻ってきた。2年前は12番人気の低評価を覆す激走V。昨年はゴール寸前でジャガーメイルの末脚に屈して2着も、4角先頭で3着以下を5馬身突き放す横綱相撲だった。

 過去2年と同様に、今年も国枝厩舎が得意とする栗東滞在での調整。「環境の変化に強い方ではないが、ここでは美浦より落ち着いているくらい。カイバもよく食べる。栗東に来るのは4度目。馬も分かっているんでしょう」と奥村助手。美浦では連日のように余震が続いており「揺れに驚くというより、馬房の扉などがガタガタと音を立てるのにおびえる馬が多い。こちらは本当に静かです」と話す。

 8歳馬の挑戦の道のりは、決して平たんではなかった。昨秋は豪G1メルボルンCへの挑戦を表明。出発の準備を整え、検疫に入る直前に、歩様に乱れを生じて断念した。その後も、馬運車の中で外傷を負ったり、蹄の中に空洞ができる蟻洞(ぎどう)の症状が出たりとアクシデント続き。その度に出走プランが浮かんでは消え、前走の日経賞まで復帰戦がズレ込んだ。結果は4着だったが「順調に使えなかったことを考えれば上々の内容」と奥村助手。「昨年は、蓄膿症の治療のストレスがあり、自信がなかったが、それでも結果を出してくれた。それに比べたら今年の方がはるかに順調」と数々の困難を克服してきた頼もしい相棒を信頼する。

 強力な布陣の4歳勢が相手となるが、有力馬のほとんどが3200メートルは未知の領域。キッツには実戦に裏付けられたアドバンテージがある。「本当は昨秋に充実期を迎えると思っていたが、競馬を使えず持ち越した。他の馬が苦しくなったところで、いい脚を使えるから」。世代交代が進んでも、淀のこの舞台だけは譲れない。現役最強ステイヤーの意地とプライドを懸けて、8歳Vの快挙に挑む。

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2011年4月27日のニュース