【名人戦】今村豊2度目の出場で初優勝!

[ 2011年4月25日 06:00 ]

第12回競艇名人戦を制し、優勝カップを手にする今村豊

 プリンスが匠の頂点に立った。ボートレースとこなめの東日本大震災被災地支援競走「G1第12回名人戦」の優勝戦が24日、12Rで行われ、今村豊(49=山口)がインからトップスタートを決めて逃げ切った。2度目の名人戦出場で初優勝を飾った。北川と新良の2番手争いは、2Mで握って回った北川に軍配が上がった。

 天才にまた新たな称号が加わった。「名人・今村」。実にいい響きだ。「今村名人」。これも悪くない。ただし、今村本人はいささか違和感を覚えているようだが…。

 「本当は名人とは言ってほしくない気持ちはありますよ。自分では若いと思ってますし、SGや周年記念で勝負したいですから」

 49歳になっても、頂点を見つめているからこその言葉である。名人と言えば熟練、技など“柔”の響き。これが今村には気に入らない。強さ、豪快さ。名人という響きにない“剛”の部分も今村は持つ。だから名人の称号は歯がゆいのだ。

 「優勝することが年々大変になってます。それでも若い者に負けんという気持ちは持っていたい。無理かもしれないけど、黄金のヘルメットをかぶる、そこに目標は置きたいです」

 穏和な表情も引き締まった。年齢に勝てない分、気持ちで勝つ、これが今の今村流。だから若手ともわたり合える。凡機を仕上げ、鋭発で魅了した今節も、心が入っていたし、若手にまねのできない優勝だった。

 「エンジンが出てない時はどこかでカバーしようと思いますよ。それからスタート。選手をやってる中でも、今のスタート勘は自分で素晴らしいと思います」

 名人戦という“くくり”に今村を閉じ込めるわけにはいかない。「名人・今村」。この称号はこの日限りで封印だ。まだまだ進化をやめない挑戦者。これからも若き強豪たちと汗にまみれ、水しぶきをいっぱい浴びて戦い続ける。

 ◆今村 豊(いまむら・ゆたか)1961年(昭36)6月22日生まれの49歳。山口支部所属。81年3月21日登録の48期生。同期には鵜飼菜穂子、木下繁美、池上正浩らがいる。通算119V(SG7V、G144Vを含む)。G1Vは07年10月の大村周年以来。1メートル63。血液型A。

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2011年4月25日のニュース