【大阪杯】ダムール“善戦マン”返上!レコードVで重賞初制覇

[ 2011年4月4日 06:00 ]

<大阪杯>レコード勝ちしたヒルノダムール(右)

 また4歳馬だ!好メンバーがそろった阪神メーン・大阪杯は1番人気に推されたヒルノダムールが待望の重賞初V。惜敗続きのうっぷんを晴らした。勝ち時計の1分57秒8はコースレコード。4着までを4歳馬が占め、世代レベルの高さを見せつけた。

 ヒルノダムールは最強4歳世代のトップクラス。とはいえ、皐月賞2着を筆頭に、重賞は2着3回、3着1回と善戦止まり。「メンバーは強いがG1馬は59キロを背負っている。対してこちらは57キロ。これで負けているようではG1なんて言えない」。昆師は自らを鼓舞するように背水の陣を敷いた。

 その思いに藤田とヒルノダムールが応える。中団でしっかり脚をためて直線は馬群から真っ先に動いて先頭へ。背後から迫るのはダービー馬エイシンフラッシュ、NHKマイルC馬ダノンシャンティ。59キロを背負った2頭を何とか振り切ったところでさらに追い込んでくる馬が…。ダークシャドウだ。同じ4歳馬、まだこんな隠し玉がいた。藤田は「負けているかと思ったけど、よく残っていたね」。最後はかわされたかに見えたが、勝利への執念とこれまでのキャリアが、鼻差で待望の初重賞を呼び込んだ。

 「もっと早く勝って良かったが、この世代は強いからね。ようやくタイトルを獲れたよ」

 1分57秒8のコースレコード。道中はよどみなく流れ上がりも速い。ハイレベルのレースを制して、最強世代の上位にいることを証明した。「これからは追いついていきたい」と藤田は世界一になったヴィクトワールピサをはじめとする同期のライバルに宣戦布告するととともに「大変な時期だけど自分は競馬でしか盛り上げられない。精進したい」と被災地を思いやる気遣いものぞかせた。

 次走は天皇賞・春。「さらに相手は強くなるね」と昆師。それでも重賞の厚い壁を打ち破った勢いがあれば好勝負は可能だ。「まだ抜け出すとフワッとする面がある。突き抜けた勢いを最後まで保てれば…。とにかく、次もきっちり仕上げていくよ」と師は新たな目標に闘志を燃やしている。

 ◆ヒルノダムール 父マンハッタンカフェ 母シェアエレガンス(母の父ラムタラ) 牡4歳 栗東・昆厩舎所属 馬主・蛭川正文氏 生産者・北海道新ひだか町橋本牧場 戦績13戦3勝 総獲得賞金2億1949万9000円。

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