【高松宮記念】サンカルロ好調キープへ「軽めで十分」

[ 2011年3月24日 06:00 ]

坂路でショウナンライジン(奥)と併せて追い切るサンカルロ

 【G1ドキュメント・23日=美浦】開門直後の午前7時過ぎから美浦トレセンは余震に見舞われた。調教スタンドはガタガタと音を立てて激しく揺れ、3階の記者室は騒然とする。取材中にも携帯の緊急地震速報を知らせるアラームが鳴り、余震が頻発。寺下は地震に酔って常に揺れている感覚に陥っていた。

 ようやく余震が収まった午前8時半過ぎ、坂路モニターに目をやると、高松宮記念に出走するサンカルロを発見。主戦・吉田豊を背にショウナンライジン(7歳オープン)を3馬身追走する。馬なりのままでラスト3Fは12秒3―11秒7―12秒2のラップを刻んで併入に持ち込んだ(4F53秒2)。大久保洋師は「前走(阪急杯V)は前哨戦というよりも背水の陣だと思っていた。G1に出したかったから、賞金的にも勝つか悪くても2着が条件。97、98点ぐらいの仕上げで臨んだんだ」と明かす。「この中間は前走の状態をキープする調整。1週前にしまい強めにやって、11秒台で来ていたし、きょうは軽めの内容で十分。あまり稽古で走らないショウナンライジンと併せて時計が速くならないようにしたんだ」

 1200メートル戦は2回経験して、昨年の高松宮記念4着、スプリンターズS3着とG1舞台で好走。「1200は少し忙しいが、折り合いがいい分だけ差して来れる。この距離にも慣れてきているし、もうちょっといい成績を目指したい」と指揮官。その意気込みに圧倒された寺下はすっかり地震酔いのことを忘れていた。

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2011年3月24日のニュース