【きさらぎ賞】トーセンラー“父譲り”強襲V

[ 2011年2月7日 06:00 ]

<きさらぎ賞>強烈な末脚で逃げるリキサンマックスを捉えたトーセンラー(手前)

 京都で6日に行われた「第51回きさらぎ賞」はトーセンラーがゴール前で強襲して重賞初V。ディープインパクト産駒の重賞制覇は昨年暮れのラジオNIKKEI杯でのダノンバラードに続く2頭目となった。

【レース結果】

 衝撃的なゴール前だった。誰もがリキサンマックスの逃げ切りかと思った瞬間、トーセンラーのもの凄い末脚がさく裂した。ファンの視線をくぎ付けにして伸びる姿に、父ディープインパクトの面影があった。デムーロも興奮気味だ。

 「素晴らしいフィニッシュだった。バックストレッチではいったん下げてから外へ出して、中団まで押し上げていった。彼はレースを知っている」

 水曜追いに騎乗した時に「(昨年勝ち馬の)ネオヴァンドームより絶対いい」と感触をつかんでいた。同じジョッキー、同じ厩舎による連覇劇。ウイナーズサークルで熱い抱擁をかわした藤原英師はまず「ちょっとヒヤッとしたけどな」と苦笑い。そして鞍上の手綱さばきを絶賛した。

 「向正面でよく動いてくれた。凄いな。完全に前が残るケースだった」

 スタート後、有力各馬は後方で折り合いに専念していた。1000メートルの通過タイムは60秒2と平均ペース。見た目以上に楽な逃げだった。そこで後方3番手から進めたデムーロは外へ持ち出し、3角手前で前をつかまえられる位置へと進出。上がり3F33秒4の爆発的な伸びの陰に隠れたファインプレーだ。

 もちろん、厩舎の仕上げも称賛に値する。今回は「落とせない」と心に決め、調教のペースを緩めず乗り込んだ。意気込みは前走時から10キロ減の馬体重に表れていた。「馬も調教に応えて良くなっていた」と藤原英師。今後に関しては、クラシック路線をにらむ逸材だけに慎重な姿勢を示した。

 「ここを勝つということは、それだけ脚を使っているということ。まずしっかり脚元をケアして、1週間くらい様子を見てから」。さらに「能力のある馬を預けてもらっているから、結果を出さないと駄目だと思ってやっている」とキッパリ。昨年のダービー馬を輩出した厩舎から、またも大器が名乗りを上げた。

 ◆トーセンラー 父ディープインパクト 母プリンセスオリビア(母の父リシウス)牡3歳 栗東・藤原英厩舎所属 馬主・島川隆哉氏 生産者・北海道千歳市社台ファーム 戦績4戦2勝 獲得賞金5150万9000円。

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