【ファンタジーS】ディープ産駒ジェム開く“名牝の道”

[ 2010年11月3日 06:00 ]

抜群の競馬センスでディープ産駒初の重賞ウィナーを目指すケイティーズジェム

 土曜京都のメーンは2歳重賞の「第15回ファンタジーS」が行われる。早くも産駒が20勝と驚異的な好成績を挙げている種牡馬ディープインパクト。その産駒重賞初制覇へケイティーズジェムが満を持している。抜群の競馬センスで新馬戦を快勝、一気連勝での戴冠も十分だ。

【ファンタジーS


 ケイティーズジェムのデビュー戦はスローの2番手でサッと折り合うと、上がり3Fは33秒9の瞬発力であっさり抜け出した。好位につけて、これだけ速い上がりを使われては後続もなすすべなし。レースセンスがキラリと光った。
 「まだ1戦しただけだから。もう少し経験を積んでいかないとね」
 藤原英師はまだキャリアが浅いこともあって、まずはドライに応じたが、返す刀で「能力はあるよ」と素質を認める。
 新馬戦のポイントはセンス抜群の勝ちっぷりだけではない。0秒2差の2着馬サダムパテック、6着馬(0秒8差)ハーキュリーズが先週相次いで勝ち上がり、いずれも後続に水をあける完勝だった。スローペースのためこの馬の勝ち時計は平凡だったが、レースレベルは間違いなく高い。
 今回は1400メートルへ距離短縮。短距離から参戦する馬も多く、スローの前走とペースは違ってくる。
 「うまく回ってくれば、だな。重賞だけど2歳戦のこと。そう変な競馬にはならないと思ってる」
 未経験の流れにどう対応するか。この点はキャリアの少なさを能力でカバーする部分だ。
 「ここでどんな競馬をしてくれるかで、見えてくるものがあるよ」
 指揮官は試金石の一戦とみる。過去、新馬勝ち即ファンタジーSと連勝したのは3頭いて、プリモディーネ、スイープトウショウ、ラインクラフト。いずれものちのG1馬だ。
 父ディープインパクトは早くも勝ち馬20頭と、父サンデーサイレンスの初年度(2歳勝ち上がり30頭)を超える勢い。火曜朝はスムーズに坂路で調整されたが、ディープ産駒初の重賞Vへ視界は開けている。

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2010年11月3日のニュース