ウオッカ、ドバイ制覇へ!谷水オーナー「3度目の正直」

[ 2010年1月26日 06:00 ]

<JRA賞授賞式>JRA・土川理事長(前列左から3人目)と記念写真に納まるウオッカの角居調教師(前列左端)、馬主の谷水氏(前列左から2人目)、ルメール騎手

 2009年度JRA賞授賞式が25日、都内のホテルで行われた。牝馬では史上初めて2年連続で年度代表馬に輝いたウオッカ(牝6=角居)の谷水雄三オーナー(70)は「海外のG1は日本とはまた違う感動があるはず」と、引退戦となるドバイワールドC(3月27日、アラブ首長国連邦ドバイ、メイダン競馬場)に向け、あらためて力を込めた。

 史上初の2年連続年度代表馬に輝いたウオッカ。谷水オーナーは壇上で「ウオッカはどんな存在?」と聞かれ「家内の次に素敵な女性」と柔らかな笑みを浮かべると、この式で最も大きな拍手が起こった。
 「光陰矢のごとし、という表現が当てはまる4年間だった。ウオッカには感謝の気持ちでいっぱい」と感慨深そうな同オーナーだが、最強の名牝には、最後の仕事が残っている。ドバイで頂点に立つことだ。すでに15日に栗東に帰厩。2月10日に出国し、前哨戦のマクトゥーム・チャレンジ・ラウンド3(3月4日、UAEメイダン)から本番に向かうスケジュールが決定済み。角居師は「鼻出血後のケアは大丈夫。ドバイは馬も勝手知ったる場所だが、今年は新しい競馬場で、新しい馬場での勝負。精いっぱい頑張りたい」と語った。
 谷水オーナーは「過去2回ドバイに挑戦して負けてしまった。思いを何とか成就させたい。3度目の正直ですよ」と力を込めた。ただ、鞍上は未定で「現在調整しているところ」(同オーナー)と語るにとどまった。有力視されるルメールはアガ・カーン殿下、そしてフランスの大馬主ニアルコス・ファミリーと優先騎乗契約を結んでいる。そのいずれかからドバイワールドCに出走馬があった場合はそちらを優先しなければならないが、ルメールは「次もぜひ乗りたい」とホレ込んでいる。
 ドバイで引退戦を走った後は、アイルランドへと向かい、昨年の凱旋門賞馬シーザスターズを種付けする。スポニチ本紙既報通り、数年間は現地に滞在し、産駒は日本で走らせる。「ぜひ子供にも乗ってみたい」とルメールは語った。引退後も夢が広がるウオッカ。まずは前哨戦を飾り、堂々と大一番へ向かってほしい。

 <過去のドバイ遠征>
 ▼08年 芝1777メートルのデューティフリーに出走。道中は外めの4、5番手を追走。直線は5頭横一線の叩き合いに大外から加わり、残り200メートルで先頭に並びかける勢いだったが、最後は勝ったジェイペグに2馬身ほど突き放され、4着に終わった。
 ▼09年 前年に続きデューティフリーに挑戦。前哨戦のジュベルハッタ(5着)をひと叩きする万全の態勢。逃げ切りVを決めたグラディアトゥーラスの直後、2番手につける積極策だったが、直線で失速し7着に敗れた。武豊はレース後「手応えは良かったのに、ちょっとどうしたのかなという感じ」とコメントした。

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2010年1月26日のニュース