【天皇賞・秋】3着ウオッカ

[ 2009年11月2日 06:00 ]

<天皇賞・秋>3着に敗れた武豊ウオッカ

 1番人気に支持されたウオッカはインから鋭い末脚を繰り出したが、3着が精いっぱい、連覇は夢と消えた。

 ウオッカが負けた。大歓声の陰で言いようのない喪失感が胸を包む。JRAプレミアムが付いても単勝オッズは2・0倍。圧倒的な支持に応えられなかった。武豊の第一声はシンプルなものだった。
 「完敗です」
 道中は折り合いに専念してイン後方から。直線で間を割ってからは凄い脚を繰り出した。だが、3着。牝馬初となる連覇の夢は消えた。武豊が振り返る。
 「状態は前回よりも間違いなく上。折り合いが付いて、いいレースができましたが、最後は同じ脚色になってしまいました」
 角居師は「この時計ですし、はじけてはいるんですが、もっとはじけた馬がいた」と分析した。上がり3F32秒9は勝ち馬と同じ。スペースを探して立て直すロスを考えれば、一瞬の伸びはケタ違いだった。勝ちタイムは昨年に並ぶレコードタイ。それより0秒3遅れたことについては「加速するまで時間がかかっているのもある」との見方だ。衰えはない。そして、角居師は「いい競馬で負けた」とまとめた。レース後はいつも通りに上がり運動。馬体にも異常はない。力を出して負けたのだ。
 今後はジャパンC(29日、東京)が既定路線。だが、角居師は「分かりません。1人では決められません」とオーナーとの協議をにおわせた上で「あまり負けるのも、かわいそうな気もします」と微妙なニュアンス。今年の安田記念優勝後には来年も現役を続行するプランが持ち上がったが、ここにきてトーンダウン。年齢的なものを考えれば、引退する日はそう遠くはないはず。もう1度輝けるのか。そして、そのレースはどこなのか。ファンは再び声援を送る場面を待っている。

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2009年11月2日のニュース