【秋華賞】やっぱりブエナ!余裕の弱点暴露

[ 2009年10月13日 06:00 ]

ブエナビスタと管理する松田博資調教師

 史上3頭目となる牝馬3冠なるか。衆目一致の秋華賞のヒロインはブエナビスタを置いてほかにない。G1レースの有力候補の信頼度をチェックする「1頭両断」も同馬を取り上げる。

 快晴だ。毎朝恒例の散歩から帰ってきた松田博師は上着を脱いだ。
 「今週の天気はどうや?競馬の日が雨でなかったらいいけどな。お客さんが困るだろう」
 今や、ブエナビスタは女帝ウオッカに次ぐ“観客を呼べる馬”だ。3冠が懸かる秋華賞当日は、かなりの過熱ぶりが予想される。といっても気負いはない。「ストレスなんて感じたことがない」と笑う師は着々と調教を積み重ねてきた。1週前追いがCWコースで6F83秒6~11秒7、土曜に1本6F83秒8~12秒6。そして今週と、合計3本で仕上げるやり方は、これまでと全く変わらない。
 「何をしても落ち着いているのが一番。引っ掛からないし、仕上げやすい」
 安定した気性は今春と同じだ。体つきをすっきり見せるのもいつものこと。
 「問題はトモ(後肢)の張りがあるか、ないか。今は戻っているから」
 前走・札幌記念で、よもやの2着。レース前には「いつもより少し完歩(ストライド)が小さいかな」との見方だった。ダート、芝の2コースしかない札幌競馬場では調教のしづらさがあったのも事実。そしてレースの流れも厳しかった。
 「引っ掛かっていたんだから、結果的には前へ行けばよかった。それに4角で外へ振られたし…。大きい馬場ならとは思うけど、仕方なかった」
 師の口ぶりから、敗因は小回りコースと展開のアヤ。広い京都コースで、牝馬の同世代が相手なら期待は高まる。だが、不安な点もある。中間に蟻洞(ぎどう=つめに穴があく病気)を発症し、悪い個所を切断した。幸い、つめの伸びが早く、調整に狂いが生じることはなかった。その影響については「そら、気にならんことはないで」。そう言うと松田博師は満面の笑みをつくった。堂々として不安を語れるのも、能力への信頼と順調な調整があればこそ。偉業達成の時は近づいている。

続きを表示

2009年10月13日のニュース