【京成杯AH】衝撃牡馬斬りザレマ!

[ 2009年9月14日 06:00 ]

<京成杯AH>レースを制したザレマ(3番)

 秋の中山開幕週を飾る「京成杯AH」は2番人気ザレマが快勝。重賞では惜敗が続いていたがテン乗りの内田博幸に導かれ、うれしい重賞初制覇。

 ザレマが惜敗続きに終止符を打った。ここまで重賞に挑戦すること14回(出走取り消し1回)。2着3回、3着2回の“善戦止まりキャラ”がウソのような快勝劇に、音無師は「いつか重賞を勝つ馬と思っていたが、勝ててホッとした」と安どの表情を見せた。テン乗りでVに導いた内田は「開幕週で、内枠で、馬の調子も良かった。いいときに乗せてもらえた」と謙虚に喜びを語ったが、その手腕はキラリと光った。
 好スタートから道中は内の2番手をキープ。4角ではいったん行き場を失いかけたが、直線に向くとすぐに外へ持ち出した。音無師が「ポケットに入って、かえってうまく脚をタメられた。直線でうまく外に出せたのが勝因だね」と称えた一瞬の好判断。前を行く馬をかわすと、持ち前のしぶとい末脚で押し切った。内田は「一気に切れるタイプではないので早めに前に並びかけたかったが、ポケットに入ったので我慢するしかなかった。それでも出てこられそうな手応えはあったからね」と振り返った。
 内田自身にとっても大きな1勝だ。英国遠征中に騎乗停止処分を受けたことで騎手リーディング争いで後続に差を詰められる形になった。それでも開幕週に4勝の好発進。悪い流れは完全に断ち切った。「悪いことがあれば、いいこともある。リーディングは上位4人ぐらいにチャンスがあるし、面白くていいんじゃない」と混戦を楽しむ余裕もある。
 ザレマは今後、府中牝馬S(10月18日、東京)→マイルCS(11月22日、京都)を目指す予定。音無師は「これをきっかけにひと皮むけてほしい」とさらなる飛躍に期待を寄せた。セントウルSを制したアルティマトゥーレともども、ウオッカと同じ5歳馬。“最強世代”からまた1頭、秋のG1戦線の主役候補が誕生した。
 ▼ザレマ 父ダンスインザダーク 母シェンク(母の父ザフォニック)牝5歳 栗東・音無厩舎所属 馬主・吉田照哉氏 生産者・北海道千歳市社台ファーム 戦績27戦4勝 総獲得賞金2億1829万7000円。

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2009年9月14日のニュース