【セントウルＳ】アルティマ電撃Ｇ１馬斬り！

＜セントウルＳ＞アルティマトゥーレ（左から４頭目・桃色帽子）が快勝

　阪神「セントウルＳ」は関東馬アルティマトゥーレが重賞初Ｖを飾った。

　これが血の底力だ。キャプテントゥーレが土曜阪神メーンの朝日チャレンジＣで完全復活をアピールした翌日、今度は姉アルティマトゥーレが新旧スプリントのＧ１覇者を退け、高い資質を証明した。
　直線競馬のアイビスサマーＤを経験した効果もあって抜群のダッシュを決めた。それでも先行争いには加わらない。ローレルゲレイロ、コスモベルを見る位置で辛抱した。この貯金が直線で生きてくる。残り２００メートル付近でベルを抜き去っても余力十分。最後は２着スリープレスナイトに２馬身半差をつける完勝だ。
　さわやかな笑顔で松岡が振り返った。「強かったですね。無理せず好位につけられていい脚を使ってくれた。能力は高い。それに見合う結果を出せてホッとしている。もっといい競馬を見せられると思いますよ」
　祖母が仏Ｇ１・ムーランドロンシャン賞勝ちのスキーパラダイス、母が阪神牝馬Ｓ勝ちのエアトゥーレという良血。だが体質が弱く、年明けは最下級の５００万に在籍していた。奥平師は感慨深げに語る。「股関節など弱いところがあり大事に使ってきた。スタッフと、いろいろ考えながら調教して思った以上に体質が強くなったのが大きい」
　５歳となった今年は初めて年間３戦以上を消化。陣営の見込み通り、順調にレースを使えれば着実に結果を出した。勢いに乗って次はスプリンターズＳでＧ１に初挑戦。「馬の様子を確認してからだけどＧ１に行きたい。実力馬は今回、次を見据えた仕上げだったはず。でも２馬身半の着差は評価できると思う」。近年のスプリント路線は連覇がなく、シーズンごとに新興勢力が頂点に立ってきた。今年、４勝を積み上げてきたアルティマトゥーレなら、そのイメージにぴったりだ。

　▼アルティマトゥーレ　父フジキセキ　母エアトゥーレ（母の父トニービン）牝５歳　美浦・奥平厩舎所属　馬主・（有）社台レースホース　生産者・北海道千歳市社台ファーム　戦績１０戦６勝　総獲得賞金１億３５４７万６０００円。