ダイワスカーレット ドバイ遠征も困難に…

[ 2009年2月13日 06:00 ]

<フェブラリーS>ダイワスカーレットの故障状況について話す松田国英調教師

 最強馬にアクシデント…昨年の有馬記念を制したダイワスカーレットが12日、左前肢球節不安のため、フェブラリーS(22日、東京)を回避することが決定した。詳しい症状などは今後の精密検査で明らかにされるが、遠征を予定している世界最高賞金レースのドバイワールドカップ(3月28日)出走も困難な状況だ。

昨年は目に外傷で回避

 栗東トレセンに衝撃が走った。ダイワスカーレットの故障が判明。ここまでG1・4勝。昨年の有馬記念を制し、牝馬ながら国内最強のポジションまで上り詰めた。今年初戦に予定していた来週のフェブラリーSでも本命視され、その後は海外G1転戦のプランも練られていた。
 午前10時30分、JRA栗東トレセン事務所に姿を見せた松田国師は「いいニュースではありません」と前置きして経緯を説明した。「きのう(11日)順調に追い切りをすませ、その後の様子も変わりはなかった。左前肢に若干の熱があったが痛みはなく、一時的な疲れと考えていた」
 11日はフェブラリーSの1週前追い切り。馬場入りはスムーズで、CWコースで6F81秒6~1F12秒0の好タイムをマークした。中間には馬場入りを嫌がるしぐさも見せていたが、これでひと安心。誰もがそう思っていた直後だった。一夜明けた12日午前5時30分、異変が判明。昨年4月の大阪杯1着後に故障した時と同じ左前肢だ。「左前肢の球節が全体に熱を持っていた。球節下部の痛みも認められた。来週のフェブラリーSへ向けての調整には支障があると判断して、出走を取りやめる」
 エックス線検査の結果は異常なし。骨折ではないことは分かったが、今のところはっきりとした病名は明らかになっていない。松田国師は全治や今後の動向について明言は避けたが、楽観できない状況であることは認めている。「どこを痛めているのか、精密検査をしていかなくてはならない。まだ分からない段階だが、簡単には治らないというふうに考えている」
 春の最大目標だったドバイワールドカップは3月28日の開催。少なくとも1週前の21日までに現地入りするのが通例だ。それまでに十分な調教を積むには現時点では相当に難しい。その後に予定する英国遠征にも少なからず影響してくる。目標を海外G1制覇に定め、さらなる飛躍を狙った09年は一気に暗転した。
 ▽過去の故障 07年5月 オークスを熱発のため直前で回避。「基礎体温が安定しないので」と松田国師は説明。
 08年2月 フェブラリーSへ向けての調教中に目を外傷。ドバイ遠征もキャンセルすることに。
 08年4月 大阪杯快勝後、左前肢に不安。骨りゅうのため、春シーズンは全休した。

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2009年2月13日のニュース