「メジャーの後継」ワイルドボア菊名乗り!

[ 2008年9月22日 06:00 ]

セントライト記念ダイワワイルドボア(6番)

 未完の大器ワイルドボアが菊に名乗り!!「第62回セントライト記念」は21日、秋雨の中山で行われ、9番人気ダイワワイルドボアが重賞初V。再コンビの北村宏司騎手(28)は復帰2週目でJRA重賞12勝目を挙げた。2着マイネルチャールズ、3着ノットアローンまでが菊花賞(10月26日、京都)の優先出走権を獲得。

万哲 ボア菊まで猛進!/セントライト記念

 秋雨のカーテンを切り裂いた先に、万感のVゴールが待っていた。いまだ夢心地の中、お立ち台に上がったダイワワイルドボアの北村宏は、こみ上げるものを必死に抑えていた。
 「本当に長かった…。休養中?悔しい気持ちは誰しも同じでしょう。チャンスを与えてくれたことがうれしかった。ずっと乗せていただいた馬で結果を出せてうれしい」
 5月10日のプリンシパルS(7着)でダービー切符を逃した翌日、北村宏自身は京都12Rで落馬。左前腕部骨折の大ケガを負い、先週の中山で復帰したばかりだった。実戦では4カ月ぶりにまたがった愛馬の成長は、手綱越しでも痛いほど伝わっていた。好スタートを切ると、7番手インの絶好位で折り合う。勝負どころの4コーナー手前、人気のマイネルチャールズ、ノットアローンが先を急ぐと、負けじと追いまくり2頭を豪快に差し切った。
 3冠ラストの菊花賞切符を重賞Vで射止めた北村宏は「最初に乗った時よりもフットワークが良くなりましたね。スタートも良かったし、凄い上がりの脚を使うタイプでもないので前の方でレースをした。直線?届いてくれ!!と…。並んだ時に大丈夫だと思ってました」と笑顔で振り返った。
 上原師にとっても会心の勝利だ。昨年暮れ、G1・5勝を積み重ねた看板馬ダイワメジャーがターフを去った時「次はワイルドボア」と後継に早々と指名するほどの期待馬だった。北村宏の再起用も的中。上原師は「北村宏君が中山開幕週から復帰すると聞き、申し訳ないが1週だけ騎乗ぶりを見させてもらった。それがすぐ“ダイワさん”の馬で勝ってね。もう、北村君しかないと…」と再依頼の経緯を明かした。北村宏が復帰した先週13日、いきなりダイワコルベット(牡3=鹿戸雄)で白星を飾ったことですべてが好転した。
 待望久しい関東の新星。ワイルドボアには、メジャーが断念せざるを得なかった菊制覇の夢が膨らんでいる。上原師は「大型馬なので春は体と能力がかみ合ってなかったが、体質がしっかりしたのが大きい。おとなしくて距離の融通性もある。もともと長距離向きと思っていたので本番が楽しみ」と5週後の淀の決戦に早くも思いをはせていた。
 ▼ダイワワイルドボア 父アグネスタキオン 母セニョラージェ(母の父ヌレエフ)牡3歳 美浦・上原博之厩舎所属 馬主・大城敬三氏 生産者・北海道千歳市社台ファーム 戦績11戦3勝 総獲得賞金8093万3000円。

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2008年9月22日のニュース