地方競馬待望の坂路コース完成

[ 2008年9月12日 06:00 ]

 【池田裕文の公営です】この夏、栃木県那須塩原市のNAR地方競馬教養センターに坂路馬場(助走路350メートル、登り坂370メートル、転回場35メートル)が新設された。もちろん競馬の活性化、強い馬作りが目的。いまや中央競馬では当たり前のようになり、民間にもある坂路だが、地方競馬にとっては待望の施設だ。

 同センターの上田所長は「坂路がすべてではないが、それに合う馬もいるはず。既存の施設(1周1100メートルの競走路やウオーキングマシンなど)を含め、幅広く利用してもらいたい」と話す。使用料(1馬房1日1900円)自体は大金がかかるわけではなく、現役競走馬がこれを使えれば一番いいのだろうが、人繰りなどを考えると現状で現役馬を抱える開業厩舎が頻繁に使うのは難しい。当面は預託・育成牧場などがデビュー前の馬に活用する形になりそうだ。
 8月30日の竣工(しゅんこう)式後、すでに牧場や調教師、個人からの申し込みや問い合わせが4件きている。同センターでは将来を含め随時その状況を判断しながら対応するという。わずかな時間で物事が急に良くなるという方がまれなこと。スタートしてから分かる問題点もある。せっかく造った“宝”を、より有効に生かすためにも長い目で見る必要がある。

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2008年9月12日のニュース