元競輪選手の石井「銀」家族のおかげと涙

[ 2008年9月7日 19:50 ]

 北京パラリンピック第2日は7日、国家水泳センターなどで競技が始まり、自転車の男子三千メートル個人追い抜き(脳性まひ)でも石井雅史(神奈川県)が銀メダルを手にした。

 追い上げ及ばず、わずかに0秒013差で頂点に届かなかった自転車男子三千メートル個人追い抜きの石井は、込み上げる感情を隠せなかった。涙声で「悔しさはあるが、競技を続けられるのも家族のおかげだし…」。練習中の事故で競輪選手の道を絶たれながら、再びペダルをこぎ始めての銀メダルだった。

 2001年7月に転倒して障害が残り「けがをした後の記憶はバラバラ」という。スコット(オーストラリア)との決勝では残り4周の1000メートルでスパートをかける予定だったが、見落として1周遅れてしまった。ただ、石井は「ラップは1秒の狂いもなく刻めていた。今の自分の力では精いっぱい」と潔い口調で負けを受け入れた。

 一昨年から主治医の許可が出て競技を再開。競輪ではトップクラスのS級昇格まで近づいた実力は、決勝で見せた猛追に表れていた。勝負の世界は「生きる力になる」と話す35歳は、得意の千メートルタイムトライアル(9日)で金メダルを狙う。(共同)

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2008年9月7日のニュース