轟悠 キャリア積み「よろいが取れてきた」

[ 2016年12月7日 09:30 ]

「双頭の鷲」でも男役として進化した姿を見せる轟悠
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 専科スター轟悠主演のミュージカル「双頭の鷲」が9日、KAAT神奈川芸術劇場で開幕する(15日まで)。

 ジャン・コクトー原作の同舞台は、城に忍び込んだ前王にそっくりな詩人(轟)と亡き夫の喪に服し続ける王妃(実咲凜音)とのわずか3日間の愛憎劇。壮絶で美しすぎるラストシーンが余韻を引く舞台だ。

 轟は劇団理事としての顔を持つ一方、各組のトップスター以上の存在として舞台を彩る。「下級生のころ“お芝居の中で気を使いすぎる”と注意され続け、理事になってもそういう自分がいた。でも今は気負うことなく存在できている。昔に比べたら随分、よろいが取れてきたと思います」と自己分析。確かなキャリアを重ねてきた証だ。

 これが終われば来年5月には博多座での「長崎しぐれ坂」が控える。同作は05年、星組で初演された時に自身が主演した思い出の作品。新トップになったばかりの珠城りょうとタッグを組む。「100周年のポスターを飾ったトップが全員退団してしまった。でも、宝塚というのはそうやって受け継いできたところ。珠城さんだって、トップとして成長し、化学変化が起きると思う」と若いトップに期待した。(土谷 美樹)

 ◆轟 悠(とどろき・ゆう)8月11日、熊本県生まれ。人吉市立第一中を経て85年初舞台。月組に配属され88年、雪組へ。97年「真夜中のゴースト」でトップスターに。トップ時代轟を含め愛華みれ(花)、真琴つばさ(月)、稔幸(星)と同期4人が各組トップを務めるのは史上初の快挙だった。02年専科に入り翌年劇団理事に就任。身長1メートル68。愛称「イシサン」。

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