雪組・望海風斗<下> 最後に見せる「男役の完成形」

[ 2021年1月23日 05:30 ]

「走り続け〝こうなったよ〟という舞台を最後まで見せたい」と話す望海風斗
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 兵庫・宝塚大劇場でサヨナラ公演「fff フォルティッシッシモ/シルクロード」(2月8日まで、東京宝塚劇場は同26日~4月11日)を上演中の雪組トップスター望海風斗。

 誰もが認める努力の人だ。初めて宝塚を見た「グランドホテル」。まだ新進スターだった天海祐希の姿に「ノックアウトされ」ここに入ることしか考えられなくなった。入団後もトップになっても研さんを重ね「fff」の演出家・上田久美子氏も「尊敬すべき舞台人」と絶賛するほど。

 「憧れの場所」は楽しいだけの舞台ではなかった。望海はそんな道のりを振り返り「夢の場所でもありましたけど、強くないといけない場所。トップになっても集中力、体力、気力のいる所。そして決して自分一人で立てた場所ではなかった」と感謝も忘れなかった。

 後を託す後輩に「やる側が楽しむことが一番。苦しみも厳しいこともたくさんあるけれど、それを乗り越えた先に喜びがあり、走り続けて結果“こうなったよ”と伝えたい」。精進し続けた望海が最後に見せる「男役の完成形」。今後も語り継がれるはずだ。(土谷美樹)

 ◇望海 風斗(のぞみ・ふうと)10月19日生まれ、横浜市出身。法政女高を経て03年初舞台。花組配属。下級生時代から高い歌唱力で注目され、14年に雪組に組替え。17年7月トップに。身長1メートル69。愛称「だいもん」。

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